高等教育開発センター(CTL)
高等教育開発センター(CTL)

多角的なアプローチによる
「教育力の開発」をめざします

本センターは、建学の精神および本学独自の教育理念・教育指針を実現する教育のための活動を行っています。特に学生の視点に立った授業改善、教員の授業改善のためのポートフォリオの導入・活用、初任者研修などを含む教職員の職能開発など、FDを推進しています。

高等教育開発センターについて

センターの理念

高等教育開発センター(Center for Teaching and Learning, Teikyo University:CTL)は、本学の「建学の精神」および教育理念である「自分流」、教育指針である「実学・国際性・開放性」を実現する教育の推進のための活動を進めます。本センターは、高等教育における教授法、教育課程、教育評価等の教授システムに関して調査・改善すること、および、ファカルティ・ディベロップメント(以下、FD)を推進することを目的とします。

ファカルティ・ディベロップメント(FD)定義
本学におけるFDとは、建学の精神および本学独自の教育理念・教育指針の下、学部・学科、研究科などの教育目標の実現をめざして行われる、個々の授業やカリキュラムの改善、およびそれらを推進するための組織や教育環境の整備などについて、教職協働、学生参画を基盤とする組織的、継続的な検証・改善に向けた取り組みの総称です。

理事長・学長
理事長・学長 冲永 佳史

本学では、建学の精神に基づいた教育理念である「自分流」を学生たちが身につけられるように、主に文系学部を擁する八王子キャンパスでは学部・学科、研究科などの委員会によるFD活動を通して、これまで授業改善に努めてきました。
2011年4月、本学の八王子キャンパスに本センターを設置し、本学におけるFD活動のさらなる充実をめざすことになりました。2008年の大学設置基準の改正によるFD義務化以降、各大学ではさまざまなFDへの取り組みが行われていますが、そこでの活動は大学がどのような学生を育て、社会に送り出すか、大学としてのディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)が反映されたものでなければなりません。そのような認識の下に、本センターでは「教職協働」「学生参画」を基盤に、教学全体の改善を推し進めたいと考えています。

センター長 井上史子 教授
センター長 井上史子教授

IoT(Internet of Things)や人工知能(AI)の活用による産業構造の変化、本格的な人口減少時代の到来など、現代社会は私たちがかつて経験したことのないスピードで大きな変化が進行していると言われています。このような社会の急激な変化の中にあって、高等教育に求められる役割はより一層拡大するとともに、その重要性と多様性は増しています。今後到来する新たな社会に対応できるような能力を身につけた人材を育てるために、各高等教育機関には、教育の質向上をめざした内部質保証システムの構築とその実質化を確実なものとすることが期待されていると言えるでしょう。
本センターは、2011年4月に八王子キャンパスのFD活動を推進する組織として設立され、教員の授業改善や学生の学びに資することを目的とした諸活動を関係部署との連携により進めて参りました。現在は、「高等教育研究部門」「教育方法研究支援室」「教学IR推進室」「文章表現教育部門」の4部門を構えるとともに、「帝京大学FDネットワーク」の中核として、本学における教育の質保証の実質化を多角的に支援する組織として、その役割の重要性も増しているところです。

今後は、全学におけるFD活動を推進するのみならず、各学部学科、研究科等におけるFD活動への支援と連携をさらに発展させるとともに、スタッフ・ディベロップメント(SD)活動への支援も視野に入れながら、帝京大学がめざす教育・研究・社会貢献活動に資する取り組みを展開して参りたいと考えております。

設立の経緯

FD活動のさらなる充実と、教学全体の改善をめざすために誕生しました

これまで本学では、学部や学科、研究科などでの委員会による個別のFD活動が主体でした。しかし、2008年に大学設置基準の改正によるFDの義務化により、大学としてよりFDに対する取り組みが求められるようになりました。また、取り巻く環境の変化によって大学に通う学生の学力も多様化が進み、大学の教員にも考え方の多様化が、さらに求められるようになってきました。そういった背景を受け、2011年にFD活動を充実させ、教学全体の改善をめざすために設立されたのが本センターです。
設立後は、教員が研究活動として授業改善に取り組むSoTL(Scholarship of Teaching and Learning)プロジェクトの導入やFDフォーラム・FDセミナーの定期開催、教職員の職能開発をめざした各種研修の実施など、精力的な活動を続けています。

組織・センター教員

組織図

センター長
井上 史子 教授

センター主任
宮原 俊之 教授

センター所員
新原 将義 講師
山下 由美子 講師
蔡 薫婕 助教
安部 健太助教
横山 真衣 助教
山口 泰史 助教
安岡 高志 客員教授

(2022年5月現在)

研究・活動

本センターでは、広く学内外に公開するFDフォーラムおよび教職員のニーズに合わせた講演やシンポジウム、さらには職能開発をめざした研修会などを活動の一環として積極的に開催しています。

主な活動内容

  • 教育内容・方法改善のための調査、研究および支援
  • 教育活動改善のための教育環境の整備
  • FDにかかわる各種啓発活動および情報収集・提供
  • 教職員の職能開発をめざした研修プログラムの開発・調査・支援
  • 学部・学科、研究科等でのFD活動の情報交換および調査・支援
  • 教育の国際化、情報化に対応するための調査、研究および支援
  • 学生の学修に関する調査等、教学データの収集にかかわる調査方法等の開発・実施
  • データに基づく組織的な教育の質保証のあり方に関する調査・研究

主な活動実績・報告(2020年度)

FDフォーラムは原則として、年間3回開催しています。2020年度は、新型コロナウイルス感染症拡大を受けて、第1回を中止とし、オンライン授業のためのFDセミナー(全6回)を代替実施しました。

第2回「大学授業を探究する~授業が面白くなるSoTL~」
開催日:2020年10月17日
参加者:132人(学内83人、学外49人)
本フォーラムでは、井上史子センター長司会のもと、京都大学高等教育研究開発推進センター長 飯吉透氏による講演「今なぜSoTLなのか:日本の大学における可能性と課題」、本学薬学部教授 黄倉崇による事例発表「薬学卒業研究における調べる力、考える力、プレゼン力向上のための評価尺度開発」、同じく本学医療技術学部スポーツ医療学科助教 大熊誠二による事例発表「主体的な学修に寄与するスポーツ方法実習(水泳)におけるICT利活用研究」、桐蔭横浜大学副学長 森朋子氏による講演「大学だからこその授業研究のススメ-学生の学びを中心に-」が行われました。

第3回「各学部学科、研究科等による活動報告」
開催日:2021年2月16日
参加者:63人(学内63人)
当センターによる活動報告に加えて、八王子キャンパス内の各学部学科、研究科等が行っているFD活動から3件のFD活動報告がありました。今回は、法学部政治学科、教職研究科、共通教育センターから発表いただきました。

開催日:2020年8月17日、9月11日、10月23日、11月13日、12月25日、2021年1月29日
2020年度春期より、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため八王子キャンパスでオンライン授業が導入されたことを受け、教員のオンライン授業を支援するために全6回にわたり企画・実施しました。オンライン授業における授業設計や成績評価など、幅広いテーマを取り扱いました。

当センター業務の柱の一つとして、本学教員を対象に研修サービスを提供しています。その目的は、学生の学習の質の改善・向上と大学の教育理念である「自分流」の実現にあります。それらを達成するには学生自身の主体的な学習への取り組みはもちろんですが、それを支えリードする教員の教育力の向上・開発が欠かせません。
多様化、複雑化する大学教員の役割や社会からの要請に応えるため、2020年度より、年間を通して実施する主たる教員研修として「新任教員研修プログラム」「ブラッシュアッププログラム」「ティーチング・ポートフォリオ研修」の3つのコースを設けています。研修は、日本高等教育開発協会(JAED)が提唱する「教育職能の5領域」にもとづき構成しています。

【3つのコース】
■新任教員研修プログラム
原則、本学就任5年未満の教員を対象とし、シラバスの作成や成績評価など、授業運営に必要な教育力の向上をめざします。
■ブラッシュアップ・プログラム
教授法の継続的な研鑽を目的とし、文章作成の指導の仕方やICTの効果的な活用法など、より実践的・具体的なプログラム構成となっています。
■ティーチング・ポートフォリオ研修
新任者以上の教育経験のある教員を対象とし、自身のこれまでの教育活動の省察や当センター教員とのメンタリングを通して、教員個人のティーチング・ポートフォリオを執筆することを目的とします。

【教育職能の5領域】

  • 領域1 大学コミュニティーについての理解
  • 領域2 授業のデザイン(目標設定、実施計画、成績評価)
  • 領域3 教育の実践
  • 領域4 成績の評価、フィードバック
  • 領域5 継続的な教育開発と自己改善・キャリア開発

SoTLとはScholarship of Teaching and Learningの略で、「教員による授業実践に関する学術的探求を通して教授・学習過程を改善する取り組み」のことです。当センターでは、FDへの取り組みとして2017年度よりSoTLプロジェクトを導入し、教員の授業研究を支援しています。

SCOT(Students Consulting on Teaching)とは、希望する教員に対して、教室内活動に関する情報を収集して提供するプログラムです。大学教育の質の向上と教室内活動を学生の視点から提供することを目的とし、授業と学習に関心を持つ学生によって行われます。SCOTになるには、当センターで有益な情報を教員に提供できるように、シラバスとはどのようなものかなど、FDに関するトレーニングを受けたあと、審査のうえ正式なSCOTとして認定されます。本学は日本の中では初めてSCOTに取り組んだ大学で、2012年度より活動を行っています。

高等教育開発センター オリジナルサイト

交通アクセス

帝京大学高等教育開発センター(CTL)は、本学メインキャンパスである八王子キャンパスにあります。キャンパスでは、多くの学生・教員が日々学修や研究を行っており、現場と密接したセンター活動を実現しています。

帝京大学高等教育開発センター
〒192-0395 東京都八王子市大塚359 
八王子キャンパス
TEL:042-678-3976 FAX:042-678-3979

八王子キャンパス 交通アクセス