
『TeikyoSat-3』プロジェクトについて

理工学部航空宇宙工学科の工学系クラブ「宇宙システム研究会」が開発を進める「TeikyoSat-3」は、一辺30センチ、重さ約20キロの小型人工衛星です。ミッションは、世界初となる人工衛星での微生物観察で、同じ宇都宮キャンパスにある理工学部バイオサイエンス学科や医療技術学部柔道整復学科とも連携しています。人工衛星の製作は、「ミッション(粘菌)」、「構体」、「電子・電源」、「熱(制御)」、「通信・地上局」、「放射線計測・防御」の6つの班に分かれて進められ、学生たちは、それぞれの役割からプロジェクトの成功をめざします。
衛星名称 | 『TeikyoSat-3』 |
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全体サイズ | 32cm×32cm、高さ37cmの準立方体形状 |
特徴 | 微生物観察用小型副衛星(細胞性粘菌 キイロタマホコリカビ Dictyostelium discoideum) |
運用軌道 | 高度400km、傾斜角65度(放射線量最大20-30Gy/年) |
ミッション期間 | 10~20日 |
軌道上運用期間 | 1年 |
軌道上滞在期間 | 約1年(440日) |
姿勢制御 | 永久磁石による受動制御 |
通信 | アマチュア無線 |
電子機器などが宇宙で使えるのかどうかを調査する工学系ミッションが選ばれることが多い中、他学科との連携も考え、理学系ミッションを選択。ミッションの内容は、アメーバ状の単細胞生物「粘菌」をアルミ合金製の容器に入れ、宇宙放射線や無重量状態が、粘菌の胞子にどのような影響をおよぼすか、顕微鏡とデジタルカメラで観察するというもの。画像データは宇都宮キャンパスに設置した地上局で、約1年をかけて受信します。宇宙での実験が成功すれば、放射線の強い環境において無人でしかも低コストでの生物実験が可能となります。
(2013.08現在)