書道研究所
書道研究所

人間の真理がそこにはある

書の歴史はすなわち文字の歴史であり、文字なくして人類の歴史・文明、人の意思が現代まで紡がれることはありませんでした。日本や中国の書道文化は、そうした文字を単なる記号ではなくそこに芸術観や書き手の美意識を見出した世界でも類をみない文化です。帝京大学書道研究所は、そうした書道文化の魅力や奥深さを発信しています。

帝京大学書道研究所ロゴ

書道研究所について

研究所の理念

1931年に創立した、本学の前身である帝京商業学校では、「人格の陶冶」「実践的教育」「体育武道奨励」の3本柱を教育方針に据えており、中でも特に書道に関しては、「書ハ実社會ニ於ケル最モ重要ナ課目ナレバ希望者ヲ特 ニ集メ課外ニ教授シ校内展覧會等屢開催其向上ニ努力シツツアリ」と位置付け、そうした「実践的教育」と結びつく形で書道教育が盛んに行われていました。大学設立後も、そうした書道教育に対する理念は変わらず、現在は「自分流」という建学の精神のもとに本学の教育の一旦を担っています。書道研究所では、そうした本学における書の歴史「帝京書道」の理念を継承し、広く社会へと還元することをめざしています。

設立の経緯

續木 敏郎(湖山)<br />帝京大学名誉教授<br />1911年~2006年
續木 敏郎(湖山)
帝京大学名誉教授
1911年~2006年

戦後のベビーブーム・高度経済成長期の影響により大学への進学率は年々増加していく中、1966年に帝京大学は開学しました。大学開学より6年の後、1972年に東京学芸大学を退官した續木敏郎(湖山)を文学部国文学科に招くことが叶いました。續木氏は当時の書教育の第一人者であり、本学にとって、その着任は本学における書道教育を飛躍的に発展させました。
1974年には、国文学科の中に書道選修課程が新設され、教員養成を中心とした書道教育のシステムが構築され、今日まで続く本学の書道教育の柱が形成されました。そして、大学開学から10年後の1976年に、本学の文系教育・研究において、他大学と差別化を図るための特色ある一拠点とするべく、初代学長冲永荘一の意向の下に日本初の書道研究所として帝京大学書道研究所は創設されました。書道研究所は、初代所長に績本湖山を据え、これまで書学書道史・書写書道教育等、本学における書道関連科目や、帝京大学幼稚園と連携した幼児教育における書写教育プログラムの監修等を行ってきました。

所長
所長
福井 淳哉

1976年の創設以来、帝京大学書道研究所では本学での教育活動を中心として書道文化の普及と発展に尽力してまいりました。本学の書道教育の理念である「帝京書道」には、大学開学以前からの、80年を越える歴史と実績を誇るものがあり、今後も本学の教育のシンボルの1つとしてその理念を継承し発展させていくことをめざしています。現代のようなパソコンやスマートフォンの普及した社会の中では、自身の手で文字を書く機会自体が減りつつあります。そうした時代だからこそ、大学研究機関として書道を含めた文字文化の普及を推進し、日本の文字文化が誇る伝統と歴史を後世へと継承する一助を担うことこそが書道研究所の使命であると考えております。
現在、本研究所では、主に日本書道分野の研究に重点を置きながら、日本文学や歴史学など周辺諸学からの研究との連携を進めており、初代所長續木湖山の頃より蒐集されてきた数万冊におよぶ蔵書や、寄贈・寄託を受けた貴重な書作品・資料の調査研究を行っています。今後もそうした研究成果を展覧会やシンポジウム等の催しを通して随時発信していきます。皆さまの御理解・御支援とをよろしくお願い申し上げます。

メンバー

所長
福井 淳哉准教授

(2022年4月現在)

交通アクセス

本研究所は、八王子キャンパス内に設置されています。

帝京大学書道研究所
〒192-0352 東京都八王子市大塚359
八王子キャンパス 10号館2階
TEL:042-690-2987

八王子キャンパス 交通アクセス