学生による授業コンサルティング(Students Consulting on Teaching:以下、SCOT・スコット)は、近年、アメリカの大学などで注目されている活動です。注目されるようになった理由は、これまで教員のための授業改善(ファカルティ・ディベロップメント:以下、FD)といえば、教員が行うものであると考えられてきました。しかし、従来の講義中心の授業形態から学習者中心の学習形態へと教育のパラダイム転換が始まったことにともない、「学生の視点」からの授業改善が求められるようになったことにあるといえます。ではなぜ、そのような転換が必要なのでしょうか。 それは、教員による授業改善は、「教員の視点」からの取り組みとなりがちであり、授業改善は学生のために行われるべきものであるという考えに立てば、SCOTのような、「学生の視点」からの授業改善が重要となってくるからです。