書道部員が体験した美しき西洋の書、カリグラフィーの世界。

文字を美しく見せる技法である“西洋の書”カリグラフィー。普段は日本の書を探求している書道部の学生たちが、カリグラフィーの中でも書き手の個性を文字に表現できるモダンカリグラフィーに挑戦しました!

モダンカリグラフィーとは?

西洋の書といわれるカリグラフィーは古くから用いられてきた文字を美しく見せるための技法。モダンカリグラフィーは従来のカリグラフィーをベースに近年登場して注目を集めているスタイル。文字の形や傾斜などが均一で整った美しさを追求するカリグラフィーに比べると、モダンカリグラフィーは自由でアート性が高く自分の個性を文字に表現できるところが魅力となっている。

教えてくれた人 島野真希さん

幼い頃から書道を始め、ウェディングプランナーを経て書道家として活動。モダンカリグラフィーも独学で習得し、日本のモダンカリグラフィーの第一人者として活躍している。

こんな道具を使います!

ガイドシート カリグラフィーペン ペン先 インク

ペンホルダーに金属製のニブと呼ばれるペン先を装着してインクに浸し書いていく。まずは目安となる傾斜ラインが引かれたガイドシートを使って練習!

さっそくチャレンジ!

ペン先の角度と方向を一定に!ペンの使い方が難しいです! 書道部の部員4名が筆をペンに持ち替えてモダンカリグラフィーに初挑戦。まずは道具の使い方に慣れながら、ストロークと呼ばれるペン運びを習得すべく、太い直線や細い曲線、楕円の線を書いていく。「ペン先の角度と方向を一定に筆圧をコントロールすることが大切」とコツを教えてもらいながら何度も繰り返し練習。「難しい!」と言いながらも、書道で培った集中力を発揮して書き続ける学生たちに「息を止めず、呼吸しながらリラックスして書いてくださいね」と島野さん。 きれいな線を引くには?傾斜や筆圧を揃えると美しく見えますよ ストロークに慣れた後はアルファベットにステップアップし、最終的に文字をつないで単語を書けるまでに。「みなさん、習得が早いです」と島野さんも驚くほどの成長を遂げた。最後は約2時間の練習成果を披露するため、小さなカードに思い思いの言葉を清書してワークショップ終了! 弾むように書くのも表現のひとつです お手本をなぞって慣れるのがおすすめ! 「美しく仕上がっていますね。ぜひ何度も書いてみて、こっちの方が好きだなと文字の傾斜や筆圧の変化を工夫してみたり、自分らしい文字を表現してみてください。繰り返し書いて鍛錬した先に個性が広がっていくという点は書道と似ていると思います」と島野さん。学生たちも「書く感覚や集中の仕方が書道と似ていた」、「ペンの動かし方は筆とは違うけれど、手で書くという行為が好きなので楽しかった」と、書道とモダンカリグラフィーの違いや共通点を感じながら、文字を書くことの楽しさを再認識したようだ。

ペン先の角度と方向を一定に! 書道部の部員4名が筆をペンに持ち替えてモダンカリグラフィーに初挑戦。まずは道具の使い方に慣れながら、ストロークと呼ばれるペン運びを習得すべく、太い直線や細い曲線、楕円の線を書いていく。 ペンの使い方が難しいです! 「ペン先の角度と方向を一定に筆圧をコントロールすることが大切」とコツを教えてもらいながら何度も繰り返し練習。「難しい!」と言いながらも、書道で培った集中力を発揮して書き続ける学生たちに「息を止めず、呼吸しながらリラックスして書いてくださいね」と島野さん。 きれいな線を引くには? ストロークに慣れた後はアルファベットにステップアップし、最終的に文字をつないで単語を書けるまでに。「みなさん、習得が早いです」と島野さんも驚くほどの成長を遂げた。 傾斜や筆圧を揃えると美しく見えますよ 最後は約2時間の練習成果を披露するため、小さなカードに思い思いの言葉を清書してワークショップ終了! お手本をなぞって慣れるのがおすすめ! 「美しく仕上がっていますね。ぜひ何度も書いてみて、こっちの方が好きだなと文字の傾斜や筆圧の変化を工夫してみたり、自分らしい文字を表現してみてください。繰り返し書いて鍛錬した先に個性が広がっていくという点は書道と似ていると思います」と島野さん。 弾むように書くのも表現のひとつです 学生たちも「書く感覚や集中の仕方が書道と似ていた」、「ペンの動かし方は筆とは違うけれど、手で書くという行為が好きなので楽しかった」と、書道とモダンカリグラフィーの違いや共通点を感じながら、文字を書くことの楽しさを再認識したようだ。

好きなフレーズを書いてみた!

Special Talk 特別対談 書道家・モダンカリグラファー島野真希さん 書道部顧問・文学部日本文化学科 福井淳哉准教授

Theme 日本と西洋の書における共通点。

書道とカリグラフィーに精通している島野真希さんと書道部顧問・文学部日本文化学科の福井淳哉准教授が日本の書道と西洋の書であるカリグラフィーの違いや共通点を語り合いました。

福井 初めはモダンカリグラフィーと書道はまったくの別物と思っていたのですが、学ぶプロセスには共通点が多くありますし、書き手の呼吸や個性を大切にしているところなど、近しい部分があることに気付かされました。

島野 書くときの呼吸やリズムは大事ですね。文字には流れがあるので、呼吸を止めたり力んで書いてしまうと、ブツブツと途切れた感じになってしまう。集中しつつもリラックスして書くことが大切だと思っています。

福井 日本の書も一緒ですよね。作品の真贋調査をするときなども、線に書き手の呼吸の違いが出るからこそ真贋を見極めることができます。手本を見ながら書いたものと、自分自身が完全にものにして書いた作品とでは呼吸が異なりますから。

島野 表現の幅という点でいうと、日本の書の方がカリグラフィーよりも圧倒的に広いとは感じています。仮名、漢字などの文字のバリエーションもありますし。

福井 それは使う道具の特性の違いもあるでしょうね。ペンを水平に動かすのに比べて、筆は上下に動かしたりねじったり、線の太さも大きく変えることができますから。

島野 習字がお手本を忠実に再現して書くことだとすると、書道は繰り返し鍛錬して知識や技術を培った先に個性が広がっていくものだと考えています。そういったところはモダンカリグラフィーと似ていると感じますね。

福井 書道の魅力は自分の手で書くことだと思っているのですが、それも共通点ですよね。手紙もそうですが、手書きには誰かのために何かをするという尊い想いが根底にある。その根っこが大切で、どんな美意識を宿らせるかは各々に基づいてやれば良い。

島野 まさに私が感じているモダンカリグラフィーの魅力と同じです。今は最後に文字を書いたのがいつか思い出せないという人がいるほど文字を書かない時代。そんな中で時間をかけて手を動かし、想いを乗せて相手に届ける尊さこそが魅力だと思っています。