少人数クラスで専門的な授業・研究を行う
ゼミ活動。
特定の専門分野について
深く学ぶ楽しさを、宇都宮キャンパスの
平本研究室に教えてもらいました。
航空機やヘリコプターの構造設計や研究などを通して、ものづくりの楽しさを体感しながら、将来に応用できる力を育んでいる。
教えてくれたのは…
平本 隆 教授
富士重工業で航空機の構造設計やヘリコプターの設計などに携わり、中等練習機XT-4の尾翼設計も担当した。2010年より現職。趣味は戦闘機のプラモデルづくり。
王子 理央 さん
理工学部 航空宇宙工学科4年(取材時)。飛行機を含むものづくりを学べる平本研究室に所属。車や飛行機の部品メーカーに内定している。
日本飛行機(株)から譲り受けたグライダーが格納庫に保存されているのですが、
水平尾翼がありません。数年前にその水平尾翼を復元しようと設計に
取り組んだ学生がいたのですが、復元には至りませんでした。それから毎年、
その先輩の研究、つまり水平尾翼の復元作業を受け継ぐ学生を
募っていたのですが、今年、王子君が手を挙げてくれました。
子どもの頃から飛行機が大好きだったので挑戦してみようと思いました。
先輩が残してくれたレポートを参考にしながら、どういう骨組みで
つくるかなどを、ゼミの仲間と一緒に模索しています。
ゼミの先輩が残してくれた水平尾翼復元のための研究レポート。このレポートを参考にしながら水平尾翼の設計を進めている。アクロバティックな飛び方をめざせば、それだけ設計も難しくなる。
格納庫にあるグライダーは展示用ではありますが、実際に「飛べる」、しかも
アクロバティックな飛行ができるグライダーを設計してほしいですね。コンピュータで
骨組みから構造計算をして、機体が壊れなければ「飛べる」と判断できますから。
ハードルが上がりました(笑)。もちろん設計だけではなく、
水平尾翼を取り付けた形で完成させることを目標にしています。
それから、水平尾翼には実際に動く機構も取り入れたいです。尾翼が動かないと
グライダーは飛べないですし、コックピットに乗って操舵したときに水平尾翼が
動けばワクワクしますからね。
格納庫に展示されているグライダー。「NIPPI B4T」と機体名が書かれた垂直尾翼の上に水平尾翼を復元しようとしている。水平尾翼は人間に例えるなら背骨。飛行を支える重要なパーツだけに、慎重な設計と製作が求められる。
同感です。ぜひ動かしてください。水平尾翼の研究を通して、企画から設計、
製作まで一貫して行う実践的なものづくりの醍醐味を体験してほしいです。
その体験は必ず将来にも役に立ちますから。
何が正しいのか、間違っているのか、手探りで図面を描き進めていますが、「飛べる」という答えを見つけ出し、水平尾翼を製作したいです。