教員による実学教育
文学部の教員陣は多士済済。それぞれの専門分野で優れた実績を上げている教員が揃い、その専門性を実学教育に生かしています。学生は個性的な教員の指導を受け、疑問や意見をぶつけ合いながら理解を深め、やがて自らの学びのテーマを見つけ、追究していきます。
帝京大学八王子キャンパスが所在する地域にはさまざまな文化があります。市指定、都指定、国指定の文化財も多数ありますが、その中でも民俗文化財に着目し、地域の人びとによって育まれてきた文化について学ぶ機会を設けています。民俗学(伝統文化研究(民俗))は学芸員資格をめざす学生の選択科目にもなっています。民俗学Ⅰでは、授業の一環として八王子博物館の見学を行っています。また、民俗学Ⅱでは、八王子市由木地区の民俗文化を学んだうえで絹の道資料館を見学します。何がどのように展示されているかを確認し、自分であればどのような展示を行いたいか考える機会としています。学生からの意見は八王子博物館とも共有しています。日本文化研究(日常生活史)では毎年11月に酉の市を調査します。当たり前だと思っている文化、知らなかった文化を実際に体験することで、日本文化を探求する能力を身に着けていきます。
髙久 舞講師 TAKAHISA Mai
東京出身。國學院大學大学院文学研究科文学専攻博士後期課程修了、博士(民俗学)を取得。國學院大學研究開発推進機構研究員、神奈川県教育委員会生涯学習部文化遺産課専門職員(非常勤)を経て2021年、本学着任。専門は民俗学、民俗芸能研究。
書写科目は、小学校、中学国語、高校書道、それぞれの教員免許取得をめざす学生が主に受講している科目です。Ⅰでは「仮名」、Ⅱでは「楷書」、Ⅲでは「行書」と「漢字仮名交じり」、Ⅳでは「生活に生かすさまざまな書式」を硬・毛筆で学ぶといったように、段階的かつ体系的に学べるようカリキュラムが組まれています。私は、本学に着任するまで、中高一貫教育校において書写・書道を担当していました。また大学において書写書道教育を担当するほか、民間書道団体主催の書道講座講師を務める等、学校教育と生涯教育の両面から書写・書道に関わってきました。以上の経験を生かし、学校教育・生涯教育・芸術文化活動の3つの視点から、21世紀の書写書道教育を担う人材を育成したいと考えています。生徒の特性や地域・学校等により異なる書写書道教育の実態を幅広く理解し、さまざまな水準に応じて柔軟に対応できる視野を持った指導者の育成をめざしています。
福井 淳哉准教授 FUKUI Junya
新潟大学教育人間科学部芸術環境創造課程書表現コースを卒業後、大東文化大学大学院文学研究科書道学専攻博士課程を修了(博士(書道学))。2010年、本学に着任。読売書法会理事、書道香瓔会理事を務めるなど書作家としても活動している。板橋区民文化奨励賞、第1回大東文化大学青山杉雨賞などを受賞。
地理学コースの科目である地理学野外実習では、教員による引率のもと年に2回、学生が2泊3日の日程で現地調査を行います。これまで愛知県豊田市・長野県諏訪地域などを訪問し、そこで地形図の判読、自然地形やまちなみの観察調査、図書館での資料収集、博物館施設の見学などを実施しています。また、現地の方から地域の自然・歴史・文化・産業・まちづくり・課題などをテーマにお話をうかがいます。これらの調査を通して得たさまざまな情報を手掛かりに、現地を「より良い社会にするための方法」についても検討しました。このように地理学野外実習は調査能力だけではなく、地域社会を創造する能力を培うことができる極めて実践的な科目といえます。
市野 美夏准教授 ICHINO Mika
東京都立大学大学院理学研究科博士課程修了、博士(理学)を取得。気象予報士。東京都環境科学研究所、海洋研究開発機構、情報・システム研究機構等を経て、2026年、本学に着任。専門は自然地理学、気候学、歴史気候学。日記・古文書に記された天候記録を用いた気候復元と、異常天候が社会経済・人口動態におよぼす影響を主な研究テーマとしている。
社会学科のオナーズ・プログラムは、優秀で学習意欲に富んだ学生に一層充実した学習活動を提供するために創設されたプログラムです。オナーズ専用科目の「現代社会学特論AI」「グローバル社会学特論A1」では、銀座スエヒロカフェテリアサービス株式会社との協定に基づき、同社が運営するソラティオキッチン(八王子キャンパス学生食堂)の実データを用いた授業を行っています。授業では学生たちが実際の営業データを分析し、売れ筋の商品や仕入れのコストなどから売り上げを増やす方策や仕入れ費用を削減する方法を考え提案します。学生からは「実社会で問題を改善することの難しさと面白さを感じた」「触れる機会がない実際のデータを用いたとても実践的な演習だった」などの感想があり、普段自分たちが利用しているソラティオキッチンについて利用者の立場だけでなく、経営者の立場を加えて考察することで実社会に出たときに役立つ学修となっています。
大浦 宏邦教授 OURA Hirokuni
京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。博士(人間・環境学)。専門は、数理社会学、進化ゲーム理論、社会的ジレンマ、秩序問題
「ソーシャルビジネス実習基礎(前期)」「ソーシャルビジネス実習(後期)」は、帝京大学のある多摩地域で活躍している、社会的企業(ビジネスの手法を用いて社会のさまざまな課題解決に取り組む企業)やNPO法人の皆様と協力して設定された授業です。
前期は、企業・NPOの皆様を講師として迎え、身近に広がるさまざまな社会・仕事・働き方の形を考えます。それを踏まえて学生は、各団体での実習に参加します。
実習内容は、日常的な実務にとどまらず、プロジェクトの企画・運営・実施を求められる場合もあります。そして後期は、学びの集大成としてプレゼンテーションをまとめ、地域や学内に向けて発表する機会を企画します。このように本授業では、「見る・聴く・体験する・議論する・調べる・企画する・発表する」といった力を、理論と実践を通して身につけることで、卒後、地域社会で発揮できる「就業力」を身につけることをめざしています。
李 永淑准教授 LEE Youngsook
大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程単位取得満期退学後、同大にて博士号(人間科学)取得。大学ボランティアセンターボランティア・コーディネーター、NPO(フードバンク)特任研究員などを経て、2013年4月より現職。専門はボランティア・NPO論。