
- 板橋キャンパス
公衆衛生学研究科 公衆衛生学専攻

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国内外を問わず、
公衆衛生の実現と社会の変化をめざします
本専攻では自ら問題を見出し、解決しようとする主体性を身につけた人材を育成することを目的としています。そのため、国際的に基幹となっている公衆衛生の基本5領域、問題解決型アプローチ、コンピテンシー基盤型教育をキーワードとし、幅広い公衆衛生を体系的に学べる環境を整えています。深く問題を追究し、柔軟な実践力を養います。
働きながら学べる2つ課程
公衆衛生学専攻には1年コース・2年コースが選択できる専門職学位課程(MPH)と3年コースの博士後期課程(DrPH)があり、どちらの課程も働きながら学ぶことができ、公衆衛生学を学ぶうえで基幹とされている「疫学」「生物統計学」「社会行動科学」「保健政策・医療管理学」「産業保健学」の5つの領域をバランスよく修得します。授業ではグループワークやディスカッション、実習や演習を通してフィールドでの実践的な学びに取り組みます。公衆衛生の現場で発生する諸問題に対して科学的判断に基づき、学術深化に寄与できる力を身につけます。
公衆衛生の基本5領域
集団の健康問題を解決するためには、科学的方法に基づいた研究が必要です。仮説をたて、それを検証するための研究デザイン、データ収集と解釈を理論的かつ実践的に行う方法論を学びます。
統計学の基本から専門的な統計手法を駆使し、試験計画を立案して結果を科学的に解析・評価できる知識と技術を演習を通して修得します。
メタボリックシンドロームなどの生活習慣病には不健康な行動パターンが関係していることが多く、個人、職場や医療機関、地域など各レベルでの対策が必要です。その各レベルでの実効性のある解決策の立案・実施の方法を学びます。
私たちはさまざまな環境で生活しています。その環境が人間におよぼす影響をとらえ、有害物質による生体影響の同定だけでなく、国際的枠組で環境保健対策を計画・実行する知識と技能を修得します。
また、有害物質を扱う職場の安全や、技術革新と産業構造の変化に伴う、産業保健の現場で実践できる実務能力を身につけます。
現在、国際競争・公衆衛生上の脅威・高齢化社会に直面しており、保健政策・医療管理学の専門家が求められています。保健政策・医療管理学を網羅的に学び、科学的根拠に基づいて公衆衛生に関する問題に取り組む力を身につけた保健政策・医療管理のリーダーを養成します。
問題解決型アプローチ
公衆衛生の課題を解決するためには、1つのテーマに興味をもち、仮説をたてて科学的に分析するだけでは不十分で、広い視野をもって社会問題を取り上げて分析し、その結果に基づいて企画・立案、実行を行うことが必要です。本専攻では、8段階から構成される問題解決型アプローチの修得をめざします。問題を発見し、情報収集を行い、そこから得たデータの分析だけでなく、多角的な側面から問題をとらえ、柔軟な発想で問題解決に取り組む力を身につけます。
コンピテンシー基盤型教育
現代社会において、日本だけでなく、世界でも人びとの健康を守り、維持するためには多くの課題があります。
それを解決するためには、科学的知識や学術的な要素だけでなく、コミュニケーション能力やリーダーシップ、社会を動かす力(アドボカシー)などが求められています。そこで注目されているのがコンピテンシーで、いわゆる、高い能力を持つ人が備えている資質を鍛える教育です。本専攻ではそれぞれのコースで8つのコンピテンシーを備える人材の育成をめざします。
ハーバード特別講義
帝京大学は、1993年のハーバード大学との学術提携以来、学生・教員の交流、国際共同シンポジウムなどを通して、わが国の公衆衛生学の発展に寄与してきました。本講義は、本学が推進するコンピテンシー基盤型教育の一環として行っています。
2012年1月、ハーバード大学より各分野で世界的に活躍する教授陣5人をお招きして第1回を開講しました。その後、本学と学術提携校であるケンブリッジ大学、ダラム大学、オックスフォード大学などからも講師を招聘しています。毎年、国内外より延べ100人近い受講生が参加する貴重な国際交流の場となり、外最新事情や最先端の知識に触れることができる絶好の機会です。
帝京国際サマースクール
帝京国際サマースクールは、ハーバード大学とともに培った教育方法を活かして実施しているプログラムで、本学の海外提携校をはじめ、学外から多くの聴講生が参加します。講義は主に英語で行われ、組織内における人びとの行動や態度などについての体系的な学問である組織行動学を通して、ヘルスケア・マネジメントの基礎や公衆衛生領域におけるリーダーシップなどを学びます。
また、世界共通の課題となっているユニバーサル・ヘルス・カバレッジについて、日本におけるこれまでの達成状況と今後も進展する少子高齢化社会の中で医療制度を維持するための取り組みについて、地域の保健所や特別養護老人ホーム、病院などでフィールド学習を行い、多面的な知見を身につけます。
帝京-ハーバード国際シンポジウム
交流活動の一環として、約2年ごとに本学やハーバード大学などを会場として国際シンポジウムを実施しています。毎回、本学と提携しているアメリカ、イギリス、アジア諸国の各大学より、保健医療職教育のリーダーたちが参加し、熱心な討論が交わされます。今後もハーバード大学をはじめとする提携校との関係を深め、教育を通してより良い社会の実現をめざします。
学術交流協定
2016年、本専攻と中国北京大学公共衛生学院との間で学術交流協定を締結しました。わが国が経験した急速な高齢化社会に対し、持続可能な保健医療制度の構築や、本学がハーバード大学とともに進めている博士課程の保健医療専門職教育について日本や本学の経験を取り入れたいとの同大学院の希望があり、実現しました。また、タイのチュラロンコン大学やインドネシアのアトマジャヤ大学も加えての4大学での大気汚染に関する共同研究も始まり、教育と研究の両面で多面的な交流を行っています。
専門科目
【疫学】
【生物統計学】
【社会行動科学】
【保健政策・医療管理学】
【産業環境保健学】
共通科目
アドバンスセミナー
共通科目
専門科目
【疫学・生物統計学分野】
【産業環境保健学分野】
【保健政策・医療管理学分野】
【特別講義】
GPA(Grade Point Average)制度の導入の趣旨は、1.キャンパスとして統一した基準を作成すること、2.公平性に優れた基準であること、3.国際的に通用する基準であることとし、学生諸君の学修の成果を、GPAという客観的な数値で評価するものです。また、この制度は、欧米の大学で採用している成績評価制度に概ね準拠しており、海外留学、海外の大学院進学、外資系企業への就職等に際し、学力を証明する指標として、海外でも通用する成績評価制度となっています。
区分 | 評価 | GPA | 成績評価基準 | 評価内容 | (英文内容) |
---|---|---|---|---|---|
合格 | S | 4.0 | 100~90点 | 特に優れた成績を表す | (Excellent) |
A | 3.0 | 89~80点 | 優れた成績を表す | (Good) | |
B | 2.0 | 79~70点 | 妥当と認められる成績を表す | (Satisfactory) | |
C | 1.0 | 69~60点 | 合格と認められる最低限の成績を表す | (Pass) | |
不合格 | D | 0.0 | 59点以下 | 合格と認められる最低限の成績に達していないことを表す | (Failure) |
対象外 | N | - | - | 他大学等で修得した科目を本学の単位として認定したことを表す (既修得単位認定) | (Credits Transferred) |
【2年コース】
科目 | 所要単位数 | 必修・選択の別 |
---|---|---|
基礎疫学 (演習を含む) | 4単位 | 必修 |
基礎生物統計学 (演習を含む) | 4単位 | 必修 |
健康行動科学概論 | 2単位 | 必修 |
保健政策・医療管理学概論 | 1単位 | 必修 |
産業環境保健学概論 | 1単位 | 必修 |
公衆衛生倫理学 | 1単位 | 必修(共通科目) |
課題研究 ※1 | 12単位 | 必修(共通科目) |
医学基礎・臨床医学入門 ※2 | 2単位 | 選択(共通科目) |
【1年コース】
科目 | 所要単位数 | 必修・選択の別 |
---|---|---|
基礎疫学 (演習を含む) | 4単位 | 必修 |
基礎生物統計学 (演習を含む) | 4単位 | 必修 |
健康行動科学概論 | 2単位 | 必修 |
保健政策・医療管理学概論 | 1単位 | 必修 |
産業環境保健学概論 | 1単位 | 必修 |
公衆衛生倫理学 | 1単位 | 必修(共通科目) |
課題研究 | 12単位 | 必修(共通科目) |
医学基礎・臨床医学入門 ※1 | 2単位 | 選択(共通科目) |
上記の合計37単位以上を修得すれば修了要件を満たすことになり、公衆衛生の実践において求められる職業意識と倫理、批判的分析、地域・文化交流、コミュニケーション、運営管理、リーダーシップ、アドボカシー、国際通用性のDrPHコアコンピテンシーを有しているとみなされ、その上で学位論文審査と学位申請者に対する最終試験に合格すれば学位授与の要件が満たされます。
履修科目の登録の上限は、年間30単位まで(特殊研究を除く)となります。ただし、成績優秀者には、これを超えた履修を認めることがあります。
科目 | 所要単位数 | 必修・選択の別 | |
---|---|---|---|
共通科目 | リーダーシップ・マネジメント特論 | 1単位 | 必修 |
基礎疫学特論 | 4単位 | 必修 | |
基礎生物統計学特論 | 4単位 | 必修 | |
健康行動科学特論 | 2単位 | 必修 | |
保健政策・医療管理学特論 | 1単位 | 必修 | |
産業環境保健学特論 | 1単位 | 必修 | |
公衆衛生倫理学特論 | 1単位 | 必修 | |
医学基礎・臨床医学特論 | 2単位 | 選択 ※1 | |
専門科目 ※2 (疫学・生物統計学分野) | 臨床疫学特論 | 2単位 | 選択必修 |
応用生物統計学特論 | 2単位 | 選択必修 | |
疫学・生物統計学特殊研究Ⅰ | 4単位 | 選択必修 | |
疫学・生物統計学特殊研究Ⅱ | 4単位 | 選択必修 | |
疫学・生物統計学特殊研究Ⅲ | 4単位 | 選択必修 | |
専門科目 ※2 (産業保健・環境保健学分野) | 産業保健学特論 | 2単位 | 選択必修 |
産業環境工学特論 | 1単位 | 選択必修 | |
産業中毒学特論 | 1単位 | 選択必修 | |
産業環境保健学特殊研究Ⅰ | 4単位 | 選択必修 | |
産業環境保健学特殊研究Ⅱ | 4単位 | 選択必修 | |
産業環境保健学特殊研究Ⅲ | 4単位 | 選択必修 | |
専門科目 ※2 (保健政策・医療管理学分野) | 保健政策学特論 | 1単位 | 選択必修 |
医療経済・経営学特論 | 3単位 | 選択必修 | |
保健政策・医療管理学特殊研究Ⅰ | 4単位 | 選択必修 | |
保健政策・医療管理学特殊研究Ⅱ | 4単位 | 選択必修 | |
保健政策・医療管理学特殊研究Ⅲ | 4単位 | 選択必修 | |
特別講義 ※3 | 特別講義(疫学の展開Ⅰ~Ⅲ) | 1単位 | 選択必修 |
特別講義(生物統計学の展開Ⅰ~Ⅲ) | 1単位 | 選択必修 | |
特別講義(社会行動科学の展開Ⅰ~Ⅲ) | 1単位 | 選択必修 | |
特別講義(産業環境保健学の展開Ⅰ~Ⅲ) | 1単位 | 選択必修 | |
特別講義(保健政策・医療管理学の展開Ⅰ~Ⅲ) | 1単位 | 選択必修 |