教育目的と3つのポリシー
教育目的と3つのポリシー

教育目的

公衆衛生学研究科は、建学の精神に則り、人々の命を守り健康を増進させるとともに、健全な保健医療体制の持続的な発展と医療の質の継続的な向上、健康を維持する社会づくりに寄与する。そのために、様々な公衆衛生上の課題に対して指導的立場で科学的判断に基づく問題解決ができる高度専門職業人を養成する。また保健医療活動に代表される、人々の生命を守る活動を統括指導できる高度な実践能力とリーダーシップを併せ持つ公衆衛生の上級管理者・上級指導者の養成を目的とする。このような公衆衛生の人材育成を通じた社会貢献を行うことが研究科の教育目的である。

専門職学位課程の3つのポリシー

公衆衛生学研究科専門職学位課程は、国内外の現場で発生する公衆衛生上の諸問題に対して専門領域ごとに指導的立場で問題解決ができる高度専門職業人の養成を目指している。従って、高度専門職業人養成という観点から以下のような能力を身につけ、かつ2年コースの場合は2年以上、1年コースの場合は1年以上在学し、課題研究報告書の審査に合格し、所定の単位を修めた者に対して学位を授与する。

  1. 公衆衛生の5つのコア領域(疫学、生物統計学、社会行動科学、保健政策・医療管理学、産業環境保健学)の基本的内容を理解している。
  2. 環境・社会との関わりから健康事象を理解し、健康問題に包括的な視点をもって対処できる専門的知識・技術・態度を習得する。特に今日の医学・医療や人々の健康を取り巻く状況の変化を理解し、実際の現場で対処できる専門的な技術と指導力を有している。
  3. 集団を対象とした健康事象の把握手法、および因果関係推定の技法であり、根拠に基づく医療(EBM:Evidence Based Medicine)に必須である疫学を修得することにより、科学的根拠に基づく医療や公衆衛生活動を実践できる専門的な技術と指導力がある。
  4. 身体的・心理的・社会的に弱い状況におかれた人々の立場を理解したうえで、予防、診断・治療、社会復帰に係わる社会的取組み、諸システムを体系的に把握し、それを公衆衛生の実践に適用できる専門的な技術と指導力がある。
  5. 対象となる活動の場が国内外の如何を問わず、公衆衛生の課題についてグローバルな 視点を備えて事象の理解ができる。
  6. 研究科で定めた専門職学位課程に必要なコンピテンシー(別記)を備えている。

学位授与に要求される知識・能力を修得するために、公衆衛生学研究科は、以下の方針でカリキュラムを編成する。

  1. 国際標準として公衆衛生専門職に求められる一定レベルの知識・技能を習得するため、米国の公衆衛生教育協会Council on Education for Public Health(以下、CEPH)の認定基準に準拠し、「疫学」、「生物統計学」、「社会行動科学」、「保健政策・医療管理学」、「産業環境保健学」の5つの領域(科目群)を設け、養成する人材像にかかわらず、各領域の基礎科目を必修科目としている。
  2. 社会や環境との関わりで人間を捉えるという疫学的な思考と公衆衛生マインドを涵養するため、養成する人材像にかかわらず、「疫学」と「生物統計学」の講義・演習、ならびに「公衆衛生倫理学」を必修科目として設定している。
  3. 現場の問題に発し、現場の実践に資する能力を身につけるため、理論先行の公衆衛生教育から一歩踏み出し、ケースメソッド演習やグループ討論、現場実習による実践教育に重点を置き、「調査・研究法概論」によりリテラシー教育を行い、各養成人材に適合する以下のような演習科目や実習科目を配置するとともに、「インターンシップ」科目も設けている。さらに知識の体系化を図る、言い換えれば実践の場に還元できる能力を身に付けるために、「課題研究」を必修としている。
  4. 公衆衛生上の広範かつ多様な課題に対応するための公衆衛生専門職業人に求められる資質・能力(コンピテンシー)と問題解決力を身に付けるため、「課題研究」「リーダーシップ・マネジメント論」の科目を設けている。
  5. 海外の最新事情や最先端の知識に触れてグローバルな視点を身につけるため、5つの領域ごとの世界的権威であるハーバード大学やオックスフォード大学、ケンブリッジ大学等の教授陣による「特別講義(冬季集中)」を設けている。加えて、主にアジア諸国の提携校の学生も参加して実施される英語による講義科目(「Healthcare Management」、「Universal Health Coverage & Aging Society」)も設けている。

公衆衛生学研究科(専門職学位課程)で公衆衛生を学ぶということは、「人々の生命と健康にかかわる公衆衛生上の諸課題に対して総合的な問題解決を実践するための幅広い知識・技術と公衆衛生マインドを身につけること」であり、そのため人々の健康に関する関心や基礎知識だけでなく学際的知識・経験、社会的問題意識や論理的考察力、ならびにリーダーシップの基礎的素養が求められる。
従って、本研究科においては、学部教育や実務経験を通じて、次のような知識・資質を備えた学生の入学を希望し選抜する。

  1. 基礎的な知識・学力・実務能力を有し、更にそれらを高度化しようという意欲のある人
  2. 人々の命や健康に関心を持ち、病者・弱者に共感する心のある人
  3. 論理的・合理的な思考を重んじ、物事を多面的に考えようとする人
  4. 様々な背景の人々と協調し連携できる柔軟性に加えて指導力・実行力をあわせ持つ人

2年コースにおいては、学部レベルの知識・学力を十分習得していることに加えて、人の命や健康に関心があり、病者・弱者や社会に貢献したいという志と現状に対する問題意識を持ち、問題解決のために自分自身の資質や能力を更に向上させようという意欲を持つ者を選抜する。
1年コースにおいては、保健医療関係の実務経験があることが強く求められるがそれに加えて、保健医療の現状を正確に分析認識する意欲と能力を持ち、その改善のために自己の努力を惜しまないばかりでなく、他者と協同して実行する力を持つ者を選抜する。

博士後期課程の3つのポリシー

公衆衛生学研究科博士後期課程は、公衆衛生学研究科の目的に則り、変動発展する社会と科学技術に対応した新たな問題に対して科学的な分析を行い、その結果と解決策を科学的根拠に基づいて提示・実践し、評価できる能力の獲得を必須のものとする。加えて、そのような成果を達成するために求められるリーダーシップ、マネージメント能力、コミュニケーション能力等を併せ持つ上級管理職・上級指導者の養成を目指している。従って、本公衆衛生学研究科 公衆衛生学専攻の博士後期課程においては、そのような上級管理職・上級指導者という観点から以下のような能力を身につけ、かつ所定の単位を修め、学位論文審査および試験に合格した者に対して学位を授与する。

  1. 公衆衛生の実際の場における問題解決のために公衆衛生の5つのコア領域(疫学、生物統計学、社会行動科学、保健政策・医療管理学、産業環境保健学)の総合的能力を持ち、分野横断的な組織や活動を率いる能力がある。
  2. 変動発展する社会と科学技術に対応した新たな問題に対して科学的な分析を行い、その解決策を科学的根拠に基づいて提示・実践し、評価することのできる能力がある。
  3. 公衆衛生の実践において指導的立場の専門家に求められるリーダーシップ、マネージメント能力、コミュニケーション能力等のコンピテンシー(別記)を有している。
  4. 人々の命を守り健康を増進させるために、そして健全な保健医療体制の持続的な発展と医療の質の継続的な向上に寄与するために、様々な公衆衛生上の課題に対して指導的立場で科学的判断に基づく問題解決を行い、その活動を統括指導する能力を有している。
  5. 身体的・心理的・社会的に弱い状況におかれた人々の立場を理解したうえで、指導的立場から公衆衛生活動を実践する能力を有している。
  6. グローバルな視点をもって指導的立場から公衆衛生活動を実践する能力を有している。
  7. 上記1から6を通じて、社会や組織、保健医療課題の変化に貢献しうる総合的な能力と資質を培っている。

学位授与に要求される知識・能力を修得するために、公衆衛生学研究科は、以下の方針でカリキュラムを編成する。

  1. 公衆衛生の現場における問題解決のために、公衆衛生の5つのコア領域を総合的に理解し、かつ分野横断的な組織や活動を率いる人材を養成するために、共通科目として国際標準として公衆衛生高等教育に求められる5つの領域の科目を設け、さらに3つの専門分野(「疫学・生物統計学分野」、「産業環境保健学分野」、「保健政策・医療管理学分野」)の授業科目を設ける。
  2. 変動発展する社会と科学技術に対応した新たな問題を発見し、それに対して科学的な分析を行い、その解決策を科学的根拠に基づいて提示・実践し、評価できる人材を目指し、各専門分野の研究指導教員による「特殊研究」科目を設ける。「特殊研究」は個別の課題に実際の現場で取り組むことを通じて、公衆衛生の総合力、問題解決能力、コンピテンシーの向上を図る。
  3. 公衆衛生の実践と教育・研究を行う実施チームのリーダーとして適切かつ迅速に対応できるリーダーシップを核とする能力を身につけるため、養成する人材像にかかわらず、3分野共通の必修科目(「リーダーシップ・マネジメント特論」を設ける。
  4. 国際通用性の観点から、海外の最新事情や最先端の知識に触れグローバルな視点を身につけるため、公衆衛生学の5つのコア領域について海外提携校の教授陣による授業科目を設ける。加えて、主にアジア諸国の提携校の学生も参加して実施される英語による講義科目(「Seminar on Healthcare Management」、「Seminar on Universal Health Coverage & Aging Society」)も設けている。

公衆衛生学研究科(博士後期課程)では、様々な公衆衛生上の諸課題に対して指導的立場で科学的判断に基づく問題解決を行うと同時に、その活動を統括指導できる上級管理者・上級指導者を養成することを基本理念とする。従ってその養成課程にふさわしい、次のような学生の入学を希望し選抜する。

  1. 研究者あるいは実務者として一定の知識・学力・能力を有し、さらにそれらを発展させ、今後の教育・指導に役立てようという意欲のある人
  2. 病者・弱者に共感する心をもち、人々の命や健康を守るために社会やシステムを変革しようという気概を有する人
  3. 科学的な思考ができ、問題解決のために分析的に判断・対処しようとする人
  4. 公衆衛生の実践活動の統括指導を行うだけの指導力・実行力の向上が期待できる人