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2026年08月28日

医真菌研究所の宮下講師がISAE 2026の招待基調講演「ウッド・ガッシュ記念講演」を行いました

2026年8月11日(火)、インド・グレーターノイダのガウタム・ブッダ大学コンベンションセンターにて開催された第59回国際応用動物行動学会大会(International Society for Applied Ethology:ISAE 2026)で、帝京大学医真菌研究所講師 宮下惇嗣が、招待基調講演であるウッド・ガッシュ記念講演を行いました。

ウッド・ガッシュ記念講演は、応用動物行動学および動物福祉科学の形成に大きく貢献したデイヴィッド・ウッド=ガッシュ教授(David Wood-Gush, 1922–1992)を記念して設けられた、ISAE年次国際大会の招待講演です。教授の逝去後、1993年に記念基金が設立され、1994年の初回講演以来、毎年継続されています。
今回、宮下講師はこの伝統ある講演に招かれ、カイコ感染モデル、AIおよび自動観察を活用した創薬研究について講演しました。

講演では、医薬・薬学研究における動物実験について、「実施するか否か」という二者択一ではなく、研究目的に対して最適な生体モデルを選択することの重要性を説明しました。感染、免疫、薬効、毒性、薬物動態が相互にかかわる現象を評価する際には、生きた個体を用いる意義がある一方で、科学的目的に応じて、より扱いやすく倫理的負担の小さいモデルを活用できる可能性を示しました。
カイコは、感染実験や薬剤投与、体液採取などを定量的に行うことができ、比較的多くの個体を用いたin vivo評価に適しています。宮下講師は、カイコを用いたこれまでの創薬研究の事例として、本学薬学部特任教授 関水和久らによる新規抗菌薬ライソシンEや新規抗真菌薬ASP2397の発見に至った研究事例に触れながら、カイコ感染モデルを用いた抗菌薬・抗真菌薬の探索研究について紹介しました。
また、現在宮下講師が推進している侵襲性真菌感染症の一つであるムーコル症を対象とした創薬研究や、AIによる画像解析を用いた生存状況や活動性、姿勢の変化、回復過程を定量的に評価する手法についても説明しました。こうした技術は単なる観察作業の自動化にとどまらず、個体の状態をどのように観察し解釈するかという応用動物行動学の課題にもつながる新たな研究手法として紹介されました。

本講演を通して、カイコを用いた感染モデルが、動物福祉への配慮と科学的妥当性を両立しながら、感染症研究および創薬研究を支える有用な基盤となり得ることを国際的な研究者に発信しました。本学は今後も、カイコ資源を活用した感染症研究、創薬研究およびAIを用いた実験系の高度化を推進していきます。

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当日の様子01

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