2026年05月19日
2026年5月12日(火)、帝京大学文学部日本文化学科准教授 福井淳哉が担当する日本文化演習(文字文化・教育)で、八王子観光コンベンション協会から書道部に寄せられた番傘揮毫の依頼を題材に、観光・交流の場で用いられる文字表現について考える授業を行い、実際に番傘に揮毫しました。本取り組みは、国内外から八王子を訪れる人を、日本の伝統的な意匠である番傘に書かれた歓迎の言葉で迎え入れるとともに、地域の特色を一目で伝え、訪問の印象を記憶に残していただくことを目的に実施されました。
授業には、依頼を受けた書道部および日本文化演習(文字文化・教育)を履修する学生が参加し、揮毫する文言の表現方法について検討を重ねました。題材として取り上げた文言は二つあります。一つは「Welcome to Hachioji」。外国語話者を含む幅広い来訪者に、八王子への歓迎を伝える言葉です。もう一つは「ようこそ 太陽の街八王子」。市民に長く親しまれてきた「太陽おどり 新八王子音頭」の一節に由来する、地域に根ざした呼びかけです。英語による直接的な歓迎と、地域の歌から生まれた呼びかけ、趣を異にする二つの文言を並べて読み比べるなかで、学生たちは、同じ「歓迎を伝える」という目的であっても、言葉の選び方ひとつで相手に届く印象が大きく変わることに気づきました。議論は「美しく書く」という観点にとどまらず、誰に向けて、どのような場で、何を伝えるのか、文字を取り巻く社会的な背景にまでおよびました。こうした問いを一つひとつ自分の言葉で考えた時間は、文字文化を観光や交流の現場へと生かす、実践的な学びとなりました。
議論を踏まえ、書道部の部員と福井准教授が番傘に揮毫しました。完成した番傘は、八王子観光コンベンション協会が今後のMICE関連イベントの会場装飾として活用する予定です。
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