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2025年10月02日

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古賀教授らの研究グループは高カカオチョコレートの摂取が便秘傾向の女性の便通を改善させることを明らかにしました宇都宮キャンパス

帝京大学理工学部総合理工学科環境バイオテクノロジーコース教授 古賀仁一郎と株式会社 明治(代表取締役社長:八尾文二郎)との共同研究グループは、高カカオチョコレートの継続摂取が、便秘傾向の女性の便通を改善し、腸内フローラ(腸内細菌叢)において酪酸産生菌を増加させることをヒト対象研究にて明らかにしました。

高カカオチョコレートにはカカオポリフェノールが多く含まれており、カカオポリフェノールの健康効果については国内外で数多く報告されています。一方で、高カカオチョコレートには、難消化性のカカオプロテインも含まれており、このカカオプロテインの摂取が便量を増加させる報告があります。そこで、カカオプロテインを多く含んでいる高カカオチョコレート摂取のヒトへの効果を確認するため、便秘傾向者の便通改善の評価試験を実施しました。20歳以上50歳未満の便秘傾向の女性を対象に、高カカオチョコレートを1日25g、2週間摂取していただいた結果、便秘傾向の女性の「排便回数」と「排便量」を増加させ、腸内フローラ(腸内細菌叢)において、酪酸産生菌を増加させていることを明らかにしました。また、この便通の改善はチョコレートに含まれるカカオプロテインの働きによる可能性が示唆されました。便秘は、QOL(生活の質)を下げてしまう深刻な問題であるばかりでなく、さまざまな疾病に関与していることが知られていますが、酪酸産生菌が産生する酪酸は、便通の改善ばかりでなく、炎症性腸疾患(IBD)、大腸がん、生活習慣病などの疾病の予防に関与している可能性が示唆されています。
今後、高カカオチョコレート摂取による便秘改善に関する研究を進め、疾病予防の可能性を追求していきます。さらに、カカオプロテインにとどまらず、多様なカカオ由来成分の可能性を探求し、チョコレートを通じて、こころとからだの健やかさに貢献します。

本研究成果は2025年3月5日(水)に、国際学術誌Bioscience of Microbiota, Food and Healthに掲載されました。

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