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2023年05月11日

板橋キャンパス山田准教授がヴォー州立大学病院で開催されたシンポジウムで講演を行いました

2023年4月27日(木)、帝京大学医真菌研究センター准教授 山田剛が、ヴォー州立大学病院(スイス)で行われたシンポジウム「Mycoses cutanées」に招聘され、「An overview of mechanisms of antifungal drug resistance in dermatophytes(皮膚糸状菌の抗真菌薬耐性機構の概要)」をテーマに講演を行いました。シンポジウムを主催したヴォー州立大学病院はヨーロッパを代表する大規模病院の1つで、20以上の施設を有する敷地内では全領域を診療対象としており、世界でも有数の大学病院として知られています。また、ローザンヌ大学(スイス)の生物学部および医学部と緊密な連携関係にあり、医療分野の最前線にいます。

本シンポジウムは、10年以上山田准教授と国際共同研究を行なってきたヴォー州立大学病院・ローザンヌ大学教授 Michel Monod氏の定年退職にあたって企画された記念行事の1つで、Monod教授と縁の深い山田准教授とリエージュ大学(ベルギー)教授 Bernard Mignon氏の2名が招聘されました。講演の中で山田准教授はMonod教授らとともに解明してきた白癬の中核治療薬、テルビナフィンおよびアゾールに対する原因菌(白癬菌)の薬剤耐性化の仕組みについて概説しました。なかでも、新種の高病原性白癬菌Trichophyton indotineaeが獲得したアゾール耐性機構「薬剤の作用標的分子をコードする遺伝子のタンデムリピート形成による作用標的分子の過剰発現」は、白癬菌を含む病原真菌全体で過去に例のない新たな薬剤耐性機構であり、ゲノムのダイナミックな変化を利用した生物の生き残り戦略として大変興味深いものであることを紹介しました。
白癬菌を含む病原真菌の薬剤耐性問題は今後さらに拡大することが予想されます。引き続き帝京大学は、設立40周年を迎える医真菌研究センターを中心に病原真菌の国際的な研究活動を推進していきます。

Trichophyton indotineaeのアゾール耐性機構に関する論文はこちら
帝京大学医真菌研究センターについてはこちら

 

当日の様子01
当日の様子04
当日の様子03
当日の様子02
当日の様子03
当日の様子05

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