2026年10月08日
2026年9月20日(日)、北海道大学(北海道札幌市)で開催された第40回日本宇宙生物科学会において、中西瑠奈さん(理工学部3年)が、「微小重力が細胞性粘菌の子実体形成へ及ぼす影響評価についての続報」という演題で研究成果を発表し、大会長特別賞を受賞しました。
細胞性粘菌は、高等動物と共通する遺伝子を有し、全ゲノム解読が完了していること、分子生物学的手法が適用しやすいことから、微生物でありながら多細胞生物のモデル生物として重要な研究材料とされています。中西さん等のグループである宇宙システム研究会・生物研究部は、宇宙環境における微小重力が微生物に与える影響を明らかにするため、細胞性粘菌を用いた研究を継続してきました。今回の学会発表では、これまでの実験結果の再現性を検討するとともに、Clinostat(クリノスタット)を用いた擬似微小重力環境下での実験を実施しました。その結果、子実体(胞子を含む構造)の形成数が減少し、胞子塊の大きさに不均一性が生じるといった現象が確認されました。地上では一定量の胞子塊が子孫を残すために必要ですが、微小重力下ではその数が少なくなるため、より多くの胞子を形成して生存戦略をとっている可能性が示唆されました。本研究は、宇宙システム研究会および生物研究部の活動の一環として進められており、現在運用中の本学独自の人工衛星 TeikyoSat-4 にも細胞性粘菌が搭載されています。今後、衛星実験の解析結果が得られることで、宇宙環境における生命現象の理解がさらに進むことが期待されます。
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