2026年07月21日
近赤外線レーザでがん細胞を熱で破壊する「光熱療法」は、手術や放射線治療に比べて体への負担が少ない次世代のがん治療として期待されています。しかし、治療薬を運ぶナノ粒子が免疫細胞に排除されて腫瘍へ届きにくいことや、体外からのレーザ照射では深部腫瘍に十分な熱を届けられないことが課題でした。
帝京大学先端総合研究機構特任准教授 山下紘正らの研究グループは、共同研究によりこれら2つの課題を同時に解決しました。タンパク質構造予測AI「AlphaFold(アルファフォールド)」を活用して設計した人工タンパク質「IDP1」をナノ粒子にコーティングすることで腫瘍への集積性を高めるとともに、注射針に挿入可能な極細硬性内視鏡を用いた接触型レーザ照射システムを開発し、低出力で高い加熱効果を実現しました。マウス大腸がんモデルでは、1回の治療で腫瘍の消失と長期的な再発抑制を確認しました。
本研究成果は、2026年7月14日付で、ナノサイエンス・材料科学分野の専門誌Small Scienceに掲載されました。