2026年06月18日
2026年3月5日(木)、帝京大学外国語学部長兼同学部外国語学科長・教授 平田好が、ベトナム国家大学ホーチミン市人文社会科学大学において国際ワークショップ「南ベトナムにおける日本語教育の歴史」を開催しました。
南ベトナム(ベトナム共和国)は、かつて冷戦期の1955年から1975年まで北緯17度線以南を統治していた国家であり、ベトナム戦争末期のサイゴン陥落により消滅しました。その後、現在のベトナム社会主義共和国として統一されています。
南ベトナムにおける日本語教育の実態については、これまで十分な研究が行われておらず、当時の教育機関や教師、教材に関する史資料の発掘が課題となっています。本ワークショップは、平田教授が研究代表者とする科研費基盤研究(C)「南ベトナム日本語教育史の研究―冷戦下日越関係からの再検討」(22K00647)の一環として実施しました。同大学歴史・国際関係学部との共催により、日本とベトナム双方の研究者がそれぞれの調査成果を持ち寄り、1975年以前の南ベトナム(ベトナム共和国)における日本語教育の歴史と日越関係について多角的な視点から議論を行いました。
日本側からは、平田教授が「ヴァンハイン大学における日本語教育」、本学日本語教育センター教授 有田佳代子が「サイゴンで活動した日本人日本語教師」、北海学園大学開発研究所客員研究員 湯山英子氏が「日本企業のベトナム進出と日本語学習」をテーマとして研究成果を報告しました。また、ベトナム側からはホーチミン市人文社会科学大学およびホーチミン市師範大学の研究者が、ベトナム共和国期の日越関係、初中等教育、日本語教育の展開などについて発表を行いました。当日は100人を超える研究者・大学院生・学生が参加し、各発表に対して活発な質疑応答と討論が行われました。議論を通して、ベトナム共和国期の日越関係に関する政治・経済分野の研究は進展している一方で、日本語教育を含む教育分野についてはさらなる史資料の発掘と研究の深化が必要であることが確認されました。
本ワークショップを通して、これまで断片的であった史資料や研究成果の共有が進み、南ベトナムにおける日本語教育史の体系的理解に向けた基盤が強化されました。今回の研究成果は日越共同論文集として刊行を予定しています。また、ベトナム国家大学ホーチミン市人文社会科学大学副学長 Luu Van Quyet氏からは、帝京大学との継続的な研究・教育交流への期待が示されました。ベトナムでは留学や就労希望者の増加を背景に日本語教育が急速に拡大しています。今後も本研究グループは国際共同研究を推進し、日本語教育および地域研究の発展に寄与していきます。
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