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2025年12月04日

経済学部 山下教授が台湾観光庁主催の構築観光新未来フォーラムにて基調講演を行いました八王子キャンパス

2025年10月3日(金)、国立政治大学(台湾台北市)にて開催された台湾観光庁主催の構築観光新未来フォーラムに、帝京大学経済学部観光経営学科教授 山下晋一が招聘され、「観光立国政策と持続可能な観光地づくり」をテーマに基調講演を行いました。

講演では、日本の観光政策の成功事例を紹介するとともに、台湾観光の発展に向けた提言を行いました。山下教授は、持続可能な観光地域づくりの目的は「住民の幸福度の達成」であり、その実現にはデジタル変革(DX)とSDGsの達成が不可欠であると強調しました。台湾と日本の世界ランキングを比較し、幸福度、デジタル競争力、スマートシティ、SDGs達成度のいずれも台湾が日本を上回っている現状を示し、デンマークやフィンランドなど北欧諸国をモデルとした戦略の重要性を提案しました。
また、円安と台湾元高の状況を踏まえ、欧米やオーストラリアの富裕層をターゲットとした戦略の有効性を指摘しました。日本での成功事例として、黒川温泉の再生や富山県「楽土庵」の取り組みを紹介し、徹底した受け入れ環境整備と高付加価値化の重要性を説明しました。さらに、日本が強みとしてきた気候・自然・文化・食の四要素が台湾でも通用することを示し、アドベンチャーツーリズムの高付加価値化が地域経済に与える波及効果や国立公園との親和性について具体的に解説し、台湾での推進を推奨しました。
あわせて、台湾でも課題となっているオーバーツーリズムへの対応策として、レスポンシブルツーリズム(責任ある観光)の推進を提言しました。観光客が自然や文化、人びとを尊重し責任を持つことの重要性を強調し、サスティナブルフィンランド(フィンランドで観光する人と観光業界が自然や文化を守りながら楽しむための国の取り組み)や、ティアキプロミス(ニュージーランドで旅をする人が自然や文化を守り、旅行者が安全で責任ある行動を約束する取り組み)の事例を紹介しました。そのうえで、台湾も観光客の行動規範を約束事として世界に発信する「台湾プロミス」を構築することの意義を示し、講演を締めくくりました。

フォーラムの最後には、台湾観光庁長官 陳玉秀氏が「今日のフォーラムは終わりではなく、台湾観光の新たな未来へのスタート地点」と述べ、台湾観光の未来に向けた決意を表明し終幕しました。

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