2025年11月12日
2025年6月8日(日)・7月6日(日)・9月3日(水)、帝京大学外国語学部外国語学科フランス語コース准教授 鵜飼敦子が、2025年大阪・関西万博のウーマンズ パビリオン「WA スペース」にて、言語・文化・芸術を通した国際的な対話の促進を目的としたフランス語圏の文化に関するイベントを3回にわたり実施しました。鵜飼准教授は、美術史とフランス語教育を専門とし、美術史の研究においては、フランス語圏の西アフリカや南アフリカなどで美術・工芸に関する調査・研究を行い、その成果をもとに、グローバル・アート・ヒストリー研究を展開しています。
ウーマンズ パビリオンは、内閣府・経済産業省・リシュモン ジャパン株式会社 カルティエ・2025年日本国際博覧会協会が共同で出展したもので、「ともに⽣き、ともに輝く未来へ」をコンセプトに、すべての人々が平等に生き、互いを尊重しながら、それぞれの能力を発揮できる社会の実現をめざしています。
1回目のイベントでは、「映像をとおして対話する:アフリカと女性」というテーマのもと、映画監督 河瀨直美氏がプロデューサーとしてかかわったアフリカの女性監督による短編映画4本を上映しました。女性が映画を撮ることの困難さや、国境を越えた制作の舞台裏について紹介し、参加者とのディスカッションを通して、映像表現を通じた対話の可能性を探りました。
2回目のイベントでは、2020年ドバイ国際博覧会アフリカ館のキュレーターを務めたマリ人のナカナ・ジャキテ・プラッツ氏を招聘し、アフリカの現代アートを紹介するとともに、「“美しさ”は普遍的な価値か?“美”とは何か?」をテーマにダイアローグセッションを実施しました。また、「異文化間の対話 — 日本、フランス、アフリカ」という副題のもと、19世紀の万博における日本ブームの歴史的背景についても講演が行われ、文化・芸術を通した多角的な対話が展開されました。
3回目のイベントでは、「青の民」と称されるサハラ砂漠の遊牧民トゥアレグ族から、金工職人でアートディレクターのモハメド・アグ・ハミド氏と、日本で大学院に在籍するアブール・ハッサン・シセ氏を迎え、金属工芸・皮革工芸・詩歌・音楽などの伝統文化を紹介しました。また、砂漠での手工芸制作を追ったドキュメンタリーやトゥンブクトゥ(マリ共和国)を舞台にした社会派映画の上映、観客との対話型トークセッションを通して、豊かな文化交流の場が設けられました。
各回ともに、参加者同士が自由に意見を交わす対話型のセッションが行われ、多様な視点からの活発な交流が生まれました。
今後も帝京大学では、教員の研究活動を通して、社会への貢献につながる取り組みを推進していきます。
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