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2025年08月12日

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医学部 広浜講師らの研究グループが腎臓内のタンパク質と病気の新たなつながりを明らかにしました板橋キャンパス

2025年8月12日(火)、帝京大学医学部内科学講座腎臓研究室講師 広浜大五郎は、米国ペンシルベニア大学医学部教授 Katalin Susztak氏らとの国際共同研究により、ヒト腎臓で発現するタンパク質の遺伝的制御が、心血管病・腎臓病・脂質異常症といった生活習慣病に深く関与していることを明らかにしました。

本研究では、約330人分のヒト腎臓組織のタンパク質量、遺伝子発現(RNA)、全ゲノム情報を統合的に解析し、腎臓でのタンパク質発現量と関連するゲノム上の領域(pQTL)を同定しました。同定したpQTL情報を、心腎代謝関連疾患・検査項目(糖尿病、脂質異常、腎機能、血圧など)に関する36種のゲノムワイド関連解析(GWAS)データと統合し、共通の遺伝的背景(共局在解析)や因果的関連(メンデルランダム化解析)を評価した結果、新たな診断・治療標的としての可能性を示唆する、臨床的に注目される複数のタンパク質(PLA2R1 、ANGPTL3 など)を同定しました。
本研究成果は、腎臓そのもののタンパク質に着目した初の大規模な遺伝学的研究であり、「腎臓から全身の健康を守る」という新たな医療の視点を提示します。今後は、これらの分子の機能的な解明や臨床応用に向けた研究が進めば、腎臓に着目した新たな診断法・治療法の開発や個別化医療の推進に貢献することが期待されます。

本研究成果は、2025年8月12日(火)18時(日本時間) 英国科学誌「Nature Medicine」に掲載されました。

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