2025年06月11日
2025年5月16日(金)、帝京大学薬学部薬学科講師 日下部吉男および同学部学科助教 中村康宏が、ダイヤモンド・プリンセス号での医療支援経験を教材にした教育プログラム成果を発表しました。本成果は、国際的な医学教育誌「BMC Medical Education」(Springer Nature社)に掲載されました。
本教育プログラムでは、新型コロナウイルス感染症対応において世界的な注目を集めたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」での医療支援に関する実体験を教材として活用しています。日下部講師が実際に対応した症例をもとに、災害や感染症の現場で医療従事者が直面する倫理的ジレンマについて、学生が自ら思考し、グループディスカッションを通して多角的に学ぶ構成となっています。また、服薬指導の場面では英語での対応が求められることから、学生は英語での服薬指導書を作成する演習にも取り組み、英語能力の必要性やAIの臨床応用に伴うリスクについての理解も深めています。これら本プログラムの取り組みを通して、医療人として求められる倫理観やプロフェッショナリズムの育成をめざします。
今回の論文は、災害医療における貴重な実体験を教育に転化した先進的な取り組みとして、国内外から注目を集めており、薬学教育の新たなモデルケースとして期待されています。
本学薬学部は、「医療コミュニケーションⅠ」の授業を通して、本プログラムのような実践的な教育を展開しており、これまでにもタブレット状のお菓子を用いた模擬服薬指導やドキュメンタリー番組を用いた倫理教育など、独自の手法が国内学術誌でも高く評価されています。
今後も本学では、最新の研究成果を共有し、より充実した学びの環境を提供していきます。