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2023年01月05日

八王子キャンパス国際協力論Ⅱでゲストスピーカーによる特別授業を行いました

2022年12月21日(水)、帝京大学八王子キャンパスにて、本学外国語学部国際日本学科教授 西岡淳が担当する「国際協力論Ⅱ」に、UNHCR難民高等教育プログラムを利用して日本の大学で学び、現在は日本で働きながら暮らしているソー・ベントゥー氏をゲストスピーカーとしてお招きし特別授業を行いました。

今回は、ミャンマーのカレン州から内戦を逃れて渡ったタイのメラ難民キャンプでの生活や来日してからの日本での生活、今後の野望や抱負をお話しいただきました。ベントゥー氏は「難民キャンプを出て勉強したい、大学へ行きたい」との思いから、2010年9月、16歳のときに両親とともにメラ難民キャンプから第三国定住パイロット事業によって来日しました。来日後は夜間中学校や定時制高校に通いながら勉強を続け、UNHCR難民高等教育プログラムの奨学金を得て日本の大学に進学したベントゥー氏は、文化人類学を専攻しながら読書漬けの生活を送り、社会学や哲学の知識も身につけました。勉強することについては「勉強だけが自分の人生を支えてくれると思っている。頼りになるのは学問だけ」と、これまでさまざまな困難を乗り越えてきた経験を交えて話されました。来年は日本の大学院で子どもの発達について学びながら、オンラインで難民キャンプの母校で子どもたちに勉強を教える予定だといい、「難民キャンプの先輩が日本で勉強したことを伝えたら子どもたちも喜ぶと思う。生きていくうえで必要な教養を教えたい」と子どもの教育についても熱く語っていました。最後には「日本の社会に支えられてここまでこられたことに感謝している。社会人になった今は、自分と同じ立場にある難民のために役立つことをしていきたいと思っている」と抱負を語りました。

授業を受けた学生からは「自分の意志に反して難民となって、多くの苦労を重ねられたことをうかがい、難民がどのような困難に直面しているのか具体的にわかった」「さまざまな困難を乗り越えて、常に前向きに目標をもって努力を重ねてこられたベントゥーさんを尊敬する。自分も社会や人の役に立てる人間になれるようにがんばらなければと思った」といった感想が寄せられ、難民問題を自分事として考えるだけではなく、これからの人生の指針を与えてくれるお話を聞く貴重な時間となりました。

当日の様子01
当日の様子02
当日の様子03
当日の様子04

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