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2021年09月10日

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「シルクロードの国際交易都市スイヤブの成立と変遷-農耕都市空間と遊牧民世界の共存-」が、令和3(2021)年度科学研究費助成事業(科学研究費補助金)基盤研究Sに採択されました

学校法人帝京大学(本部:東京都板橋区、学長:冲永 佳史)は、2021年8月10日に、独立行政法人日本学術振興より、令和3(2021)年度科学研究費助成事業(科学研究費補助金)(基盤研究(S))の交付決定通知をいただきました。
本研究は、本学文化財研究所教授 山内和也を研究代表者とし、本学八王子・板橋キャンパス、帝京平成大学を含めた学内外の最前線の研究者が実施する文理融合型の学際的な研究です。

キルギス共和国北部に位置するアク・ベシム遺跡、つまりかつてのスイヤブは、5世紀にシルクロードの交易の民、イラン系ソグド人が植民・建設した都市であり、7世紀後半には唐の軍事拠点(砕葉鎮城)が隣接する地区に建設されました。本研究では、2011年以降の約10年にわたる発掘調査成果に基づき、アク・ベシム遺跡をより体系的かつ組織的に発掘し、遺跡の成立から衰退(10世紀頃)までの歴史や人の生活の詳細な復元をめざしています。また、この地域は交易を担った農耕都市定住民と遊牧民、そして異なる宗教が接触・共存した場所でありますが、農耕都市空間と遊牧民世界の接触交流、唐王朝や諸宗教との対立あるいは共存関係については多くが未解明です。本研究は、いままでの実績と経験を踏まえ、これらの課題を総合的に解明するために、長期的計画のもとに考古学、美術史学、建築史学、生物考古学、文化財科学、考古医科学、考古生体有機化学、地理学、民俗学、文献史学、宗教学の諸分野の最前線の研究者が集い、学際的かつ多角的にアク・ベシム遺跡と周辺の草原地域の歴史や人の営みの全貌を明らかにする野心的かつ実質的な研究です。

これまでの研究を基礎としながらも、農耕都市空間(アク・ベシム遺跡)と遊牧民世界の双方を対象としている点、先端科学を用いて出土遺物を分析する点、出土遺物の新たな分析方法を構築する点、多角的かつ学際的に研究する点で、これまでに類例のない研究を遂行していきます。

当日の様子01
当日の様子02

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