トピックス

  • 研究活動

2021年06月04日

中島客員研究員と宮下講師が「水泡眼金魚を利用した新しい免疫学ex vivo実験系」についてオンライン記者発表を行いました

2021年6月3日(木)、帝京大学薬学部カイコ創薬学講座客員研究員 中島弘人と帝京大学医真菌研究センター講師 宮下惇嗣が「水泡眼金魚を利用した新しい免疫学ex vivo実験系」について、オンライン記者発表を行いました。

本研究では、個体が生きたままの状態でリンパ液・リンパ球を採取できる水泡眼金魚を用いた免疫学研究の新しい実験系において、高温における感染感受性の増大が免疫機能の低下によってもたらされることを示唆する結果を得ました。緑膿菌の加熱死菌を水泡内に注入すると炎症症状が生じ、炎症性サイトカインの遺伝子発現の増加が観察されましたが、飼育温度を上げると炎症性遺伝子発現の誘導が抑制されました。さらに、水泡から採取した免疫細胞を培養してex vivo実験を行ったところ、ex vivo 培養を行う際の培養温度を上昇させると炎症性サイトカインの発現誘導が抑制されることが分かりました。
したがって、水泡内に存在する免疫細胞の高温における機能低下は細胞の自律的な機能であると考えられ、これらの結果から水泡眼金魚は魚類の免疫細胞をex vivoで解析するのに適したモデルであり、温度上昇によって引き起こされる金魚の感染感受性増大は、免疫細胞の機能低下に起因することが示唆されました。

本研究成果を魚に対する免疫活性化剤の効果測定に用いることで、水産業の生産性向上が期待されます。

プレスリリースはこちら

当日の様子01
当日の様子02

トピックス一覧へ