トピックス

  • 研究活動

2020年12月18日

小山俊樹教授が第42回サントリー学芸賞を受賞しました

2020年12月15日(火)、東京會舘(東京都千代田区)にて、帝京大学文学部史学科教授 小山俊樹が、著書『五・一五事件-海軍青年将校たちの「昭和維新」』(中央公論新社)とこれまでの著作活動の業績を総合的に評価され、第42回サントリー学芸賞(思想・歴史部門)を受賞し、贈呈式が行われました。
サントリー学芸賞は、広く社会と文化を考える独創的で優れた研究・評論活動を、著作を通して行った個人に対して、「政治・経済」「芸術・文学」「社会・風俗」「思想・歴史」の4部門にわけて、毎年公益財団法人サントリー文化財団より贈呈されています。
本賞は2019年1月以降に出版された著作物を対象に選考され、1979年の創設以来、受賞者の数は本年を含め354人となります。 受賞にあたり小山教授は「本を書くにあたり、心に決めていたことは史実と向き合うことだった。現実は『小説より奇なり』と言う通り、極めて複雑で奇妙なものである。なぜ犬養毅首相が殺されなければならなかったのか、なぜ事件を契機に政党政治が終わってしまったのか、なぜ人びとは青年将校に期待をし賞賛したのか。これらの事件をめぐる複雑奇妙な現実を読み解こうと思い研究を進めたが、史実を確定し、自分なりに考察を加える作業は困難を極めた。また、当時と今の価値観の違いも、事件から80年が経ち、私たちには理解しがたいことが多い。今の読者にわかりやすく伝えるにはどうしたらよいかと考え、一つひとつ積み重ねてきた。当時の価値観が今と違っても史実に基づいて再現し、記録にとどめることが、人類と社会を探求する歴史学や人文学の大きな役割と考えている」と著書について話し、「栄誉ある賞を受賞したことを大変嬉しく感じている。心よりお礼を申し上げたい」と結びました。

贈呈式の冒頭挨拶でサントリー文化財団理事長の鳥井信吾氏から「本年の受賞者8人のうち女性が5人と過半数を占めたのは、42回目で初めてのことである」と話もありましたが、30代後半から40代前半の将来が期待される受賞者の斬新な視点や研究内容が評価され、賛辞が贈られました。
「今後も誰もやりたがらない研究に焦点を当て、じっくりと積み上げて行きたい」との力強い発言をされた小山教授の今後の研究にも注目です。

第42回サントリー学芸賞決定(ニュースリリース)

小山俊樹著『五・一五事件-海軍青年将校たちの「昭和維新」』(中央公論新社)

当日の様子01
当日の様子02
当日の様子03
当日の様子04

トピックス一覧へ