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2020年11月25日

文化財研究所岡田准教授が第27回読売国際協力賞を受賞しました

帝京大学文化財研究所准教授 岡田靖が、独立行政法人国際協力機構(JICA)の大エジプト博物館合同保存修復プロジェクトのメンバーとして、国際協力の分野で活躍する個人や団体等に贈られる第27回読売国際協力賞を受賞しました。

JICAは、円借款にて建設支援中の大エジプト博物館(GEM)に隣接する大エジプト博物館保存修復センター(GEM-CC)の人材育成と技術移転を目的として、2008年から現在まで日本の幅広い文化財専門家の参画を得て、同保存修復センターへの協力事業を実施してきました。
世界有数の超大型博物館となる大エジプト博物館には、エジプト考古学博物館に所蔵されている約4,000点のツタンカーメン・コレクションなどを含む、10万点を超す貴重な文化遺産が展示・収蔵される予定です。
2008年から開始された本プロジェクトのフェーズ1・フェーズ2では、同保存修復センターへの人材育成および技術移転を目的とした活動を行い、「予防保存」「保存修復」「保存科学」「その他」の4分野を核とした合計24のテーマの研修を実施しました。2016年からスタートしたフェーズ3では、2021年にも開館される大エジプト博物館での展示に向けて、本物のツタンカーメン王の秘宝である木製品や染織品、古王国時代の壁画を対象にした日本人専門家と同保存修復センターによる「大エジプト博物館合同保存修復プロジェクト(GEM-JCプロジェクト)」を実施しています。

岡田准教授はフェーズ2から木製品研修の主担当を務め、同保存修復センターの木材ラボの保存修復者たちへの技術移転および人材育成に努め、フェーズ3ではツタンカーメン王のチャリオットや儀式用ベッドの保存修復を担当しています。
また、本プロジェクトにおいては、同研究所教授 山内和也がプロジェクトの立ち上げからフェーズ2まで統括責任者としてかかわり、プロジェクトの推進に大きな役割を果たしました。現行のフェーズ3においても有識者による技術支援委員としてプロジェクト全体の監修に携わっています。
同じく同研究所准教授 藤澤明はフェーズ1から参加しており、フェーズ2の計画策定や金属品保存修復研修の主担当などを務め、同保存修復センターの無機物ラボの保存修復者たちへの技術移転および人材育成に努めました。また、本プロジェクトとなったフェーズ3においても、ツタンカーメン王の木製品に用いられている無機物装飾や古王国時代の壁画の診断分析を担当し、古代エジプトの技法材料の解明に尽力しました。

名誉ある読売国際協力賞において、本プロジェクトの受賞は文化的な国際協力の分野では初めての快挙です。プロジェクトメンバーとして参画した3名の本学教員が所属する帝京大学文化財研究所では、キルギス、イラン、ジョージア、アフガニスタンなどの国々とのシルクロード関連文化遺産を通じた国際貢献事業を展開しています。

当日の様子01
当日の様子02
当日の様子03
当日の様子04

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