2022年07月11日
帝京大学医真菌研究センターの博士研究員 田村俊、助教 アレシャフニ ムハンマドマハディと副センター長・教授 槇村浩一らの研究グループは、関東化学株式会社との共同研究により、新規鑑別用酵素基質培地「クロモアガーTMカンジダプラス」培地が、一般的な病原カンジダの中からカンジダ・アウリス(Candida auris)を検出できるだけではなく、病原性が低い国内在来株(CladeⅡ)と海外で流行している多剤耐性・高病原性アウトブレーク株(CladeⅠ、ⅢおよびⅣ)を識別できることを発見しました。本研究成果は、2022年6月に発刊された専門紙 Microbiology and Immunology に掲載されました。
カンジダ・アウリスは槇村教授が2009年に命名・記載し、その後世界初となるパンデミックを生じた真菌です。国際的人的交流の再開によるカンジダ・アウリスアウトブレーク株の流入に備えるため、この菌を検出・識別できる本培地は臨床上欠かせないツールとなることが期待されます。
医真菌研究センターは、今後も外部機関との連携を深め、より良い共同研究に基づく医真菌学への貢献と社会実装の推進に勧めてまいります。