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No.6

2026.10.13

ボトムアップ指導の学びを力に、生徒に寄り添う体育教師をめざして

在学生

水谷 真人さん

教育学部 教育文化学科 4年

出身校:

神奈川県立上溝南高等学校

「報われるまで努力する」をモットーに、研究や部活動、教員免許取得への挑戦に真摯に向き合ってきた水谷さん。高校時代、野球部で出会った「ボトムアップ指導」への関心を原点に研究を重ねる一方、自身の苦手分野と向き合った経験や教育実習を通して、生徒に寄り添うことの大切さを学んできました。理想の体育教師像を追い求めた大学4年間を振り返ります。

高校野球で出会った、ボトムアップ指導との原点

私がボトムアップ指導に興味を持ったきっかけは、高校時代の野球部での経験です。そこでは監督が一方的に指示を出すのではなく、選手自身が課題を見つけ、練習内容や作戦を考えていました。自分たちで考えた取り組みが結果につながったときの達成感は大きく、「主体的に学ぶことの力」を実感しました。

大学入学後、必修科目の授業をきっかけに、さらに深くこの指導法を研究したいと考えるようになりました。現在所属しているゼミでは、「ボトムアップ指導が運動部活動に及ぼす効果や可能性」をテーマに研究しています。これまでに出身中学校や高校の指導者、生徒を対象にアンケート調査を実施しました。その中で見えてきたのは、同じ指導でも指導者と生徒では受け止め方に違いがあることでした。

研究を始めた当初、私は「ボトムアップ指導こそが最善の指導法だ」と考えていました。しかし研究を進めるうちに、トップダウン指導にも有効な場面があることを知り、競技の特性や状況に応じて適切な指導を選ぶことの重要性を学びました。大学での学びを通して、それぞれの良さを理解できたことで、スポーツ指導に対する視野が大きく広がったと感じています。

      「苦手」が教えてくれた、生徒と同じ目線に立つことの大切さ

      私は体を動かすことが好きで、大学の軟式野球サークルでは関東大会ベスト8を経験し、関東選抜チームにも選出されました。しかし、実は大きな苦手意識を持つ競技がありました。それが水泳です。教職課程で必修科目となる「スポーツ方法実習(水泳)」では、思うように泳ぐことができず、周囲との差を感じることがありました。授業の日が近づくたびに気持ちが重くなるほどでしたが、この経験は私に大切な気づきを与えてくれました。

      それまで私は無意識のうちに、「スポーツは楽しいもの」だと思っていました。しかし、それは自分の得意な種目に限った話だったのです。水泳に苦手意識を抱いたことで、運動が苦手な生徒たちが感じる「できない」「辛い」「周囲と比べてしまう」といった気持ちを、身をもって理解することができました。

      だからこそ、将来教員になった際には、運動が苦手な生徒たちの気持ちに寄り添いたいと思っています。できないことを責めるのではなく、小さな成長を認め、成功体験を積み重ねられる授業をつくりたい。授業の難易度設定ひとつをとっても、誰かが置き去りにならないよう配慮することの大切さを学びました。

        失敗から学んだ、「生徒を主役にする授業」

        3週間の教育実習では、ゼミで学んできた「主体的に学ぶ環境づくり」とボトムアップ指導の考え方を実践したいと考えていました。しかし実際に教壇に立つと、思うようにはいきませんでした。

        時間内に授業が終わらなかったり、一方的な説明になってしまったりと、反省の連続でした。特に保健の授業では、「教科書の内容をすべて教えなければ」という思いが強く、生徒の理解や興味に目を向ける余裕がありませんでした。

        そこで私は授業づくりを根本から見直しました。「何を教えるか」ではなく、「生徒に何を持ち帰ってほしいか」を起点に考えるようにしたのです。内容を絞り込み、生徒同士が主体的に考えたり話し合ったりする時間を増やし、生徒を主役にした授業を意識しました。

        実習最終日、生徒たちから色紙を受け取りました。そこには、「運動が苦手だったけれど、水谷先生の授業は楽しくて体育が好きになりました」と書かれていました。

        その言葉を読んだとき、自分自身が「できない苦しさ」を知っていたからこそ、生徒に寄り添う授業につながったと感じました。「苦手な生徒に寄り添える先生になりたい」という思いが、生徒たちに少しでも伝わっていたことが何よりうれしく、教師という仕事のやりがいを強く実感した瞬間でした。

          私を支えてくれた信条を胸に

          研究や教育実習で壁にぶつかったとき、私を支えてくれたのは「報われるまで努力する」という言葉でした。大学生活では、自ら行動することを大切にしてきました。教職センターで教育実習や教員採用試験に向けて先生方に相談したり、仲間と模擬授業を繰り返したりしながら、一歩ずつ力を伸ばしてきました。その過程で支えてくれた友人や先生方には感謝の気持ちでいっぱいです。

          将来は、運動が得意な生徒も苦手な生徒も、それぞれが自分なりの成長を実感できる体育教師になりたいと考えています。運動能力だけでなく、一人ひとりの努力や挑戦を認められる教師でありたい。その思いを胸に、これからも理想の教師像を追い続けていきます。

            とにかく挑戦を!

            大学の4年間は長いようで、本当にあっという間です。失敗することは決して恥ずかしいことではありません。むしろ、挑戦したからこそ得られる経験があり、それは前に進んでいる証拠です。大学生活では、ぜひたくさんの挑戦をして、自分だけの強みや武器を見つけてください。大学受験はゴールじゃない。進学先で何を学び、どう努力し、その道を自分にとっての正解にしていくかが大切です。皆さんのこれからの挑戦を応援しています!

                TIPS

                教職センター

                八王子キャンパスで教員免許状や保育士資格の取得をめざす学生を支援する総合サポートセンターです。履修相談、教育・保育実習の指導、教員採用試験対策、就職相談まで幅広くサポートしています。教職経験豊富な専任教員や講師による個別相談や実践的な指導に加え、自主学習や勉強会も支援。在学中はもちろん、卒業後も教職をめざす皆さんの夢の実現を力強くバックアップします。

                  • この記事の内容は、取材時点のものであり最新の情報とは異なります。

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