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2020年01月14日

第5回・6回バイオサイエンス特別セミナーを開催しました【理工学部】

2019年12月12日(木)・24日(火)、帝京大学宇都宮キャンパスにて2019年度第5回・6回バイオサイエンス特別セミナーを開催しました。

12日(木)の第5回セミナーでは、国立研究開発法人理化学研究所環境資源科学研究センター研究員 岩瀬哲氏に「植物の再生を司る分子メカニズム」をテーマにご講演いただきました。

1つの細胞が体を構成するすべての細胞に変化できる潜在能力を分化全能性といいます。岩瀬氏らのグループでは、自然界や組織培養条件下で見られる植物の分化全能性発揮の分子メカニズムの解明をめざした研究を進めており、傷害ストレスを引き金に傷口から再生するための転写因子 ネットワークがあること、また分化した細胞には脱分化をエピゲノムで能動的に抑える仕組みがあることを明らかにしています。講演では、これらの研究成果を概説するとともに、最近の取り組みについても紹介していただきました。

セミナーには宇都宮キャンパスの教職員・大学院生・卒研生のほか、近隣の大学からも研究者が参加し、活発なディスカッションが行われました。また、翌日に行われた特別講義には本学理工学部バイオサイエンス学科の3年生ら約50人が参加し、植物の再生研究にかかわる歴史的背景や産業への応用例について学びました。

本学同学部同学科准教授 朝比奈雅志らの研究グループでは「植物組織における遺伝子発現と植物ホルモンの時空間的解析」に関する研究プロジェクトを、科学研究費助成事業、私立大学等経常費補助金(大学間連携等による共同研究)等による支援を受けて進めており、セミナー参加者からは「植物科学の最新の知見を学ぶことができた」「今後の研究を進めるにあたって、大変参考になる情報が得られた」との感想がありました。

24日(火)の第6回セミナーでは、名古屋大学大学院生命農学研究科研究員 佐藤良介氏に「植物小胞膜局在アクアポリンの分子生理学的機能の解明」をテーマにご講演いただきました。

細胞は生体膜でくくられており、細胞自体も細胞内のオルガネラも袋状態に近いとされています。水の出入りにはアクアポリン(aquaporin)という水チャネルがあり、水および中性の低分子を選択的に輸送する機能を通して多様な役割を果たしていることが分かっていますが、その生理学的機能については未だ不明な点が残っています。今回のセミナーでは、シロイヌナズナの小胞体膜局在型アクアポリンの生理学的機能解明に関する取り組みについて、最新の知見を交えて紹介していただきました。

参加者からは、「アクアポリンの水輸送以外の生理的機能について知ることできた」「非常に細かい研究を緻密に進めていて学ぶことが多かった」との感想がありました。

本学理工学部バイオサイエンス学科では、最先端の研究に関する知見を深める目的で、さまざまな分野の研究者を招いたセミナーを積極的に開催しています。

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