山田准教授がスイス・ローザンヌの研究グループと共同で行っている「白癬菌の薬剤耐性株」に関する研究成果が学術雑誌に掲載されました【医真菌研究センター】

2017年06月14日

世界各地の臨床現場で白癬の治療に使用されているテルビナフィン(TBF)は耐性株の分離に関する報告が少ないなか、帝京大学医真菌研究センター准教授 山田剛とスイス・ローザンヌにあるCentre Hospitalier Universitaire Vaudois(CHUV)教授 Michel Monod氏の共同研究グループは 2013年〜2016年にかけて、CHUVを拠点に収集した臨床分離白癬菌2056株を対象に、TBFを含む寒天培地を用いた簡易培養試験を行い、約1%にあたる17株の培養陽性株を見出しました。そして、これらのTBF低感受性株について、薬剤の作用標的であるスクワレンエポキシダーゼをコードするSQLE遺伝子の塩基配列を解析し、ORF内にアミノ酸の置換を生じる幾つかの点変異(SNP)が含まれていることを突き止めました。そこで山田准教授はTBFに感受性を示す別の白癬菌のSQLE遺伝子に遺伝子操作を行い、上記17白癬菌株に認められたTBF感受性低下(耐性化)の主原因がSQLE遺伝子に生じたSNPであることを強く示唆する結果を得ました。

以上の結果を踏まえ、本研究を通じて1%に近い頻度でTBF低感受性白癬菌株が分離されたことから、スイスだけでなくその他の国々においても本薬剤に対する耐性株の拡がりが懸念されます。

 

原著論文

Terbinafine Resistance of Trichophyton Clinical Isolates Caused by Specific Point Mutations in the Squalene Epoxidase Gene. Antimicrob Agents Chemother, 2017, Apr 17. [Epub ahead of print]

Yamada Ta,b, Maeda Ma, Alshahni MMb, Tanaka Rc, Yaguchi Tc, Bontems Od, Salamin Kd, Fratti Md, Monod Md. aTeikyo University Institute of Medical Mycology, Tokyo, Japan; bGeneral Medical Education and Research Center, Teikyo University, Tokyo, Japan; cMedical Mycology Research Center, Chiba University, Chiba, Japan; dService de Dermatologie, Centre Hospitalier Universitaire Vaudois, Lausanne, Switzerland.

 

山田 剛准教授紹介