教職実践専攻
  • 八王子キャンパス
教職研究科 教職実践専攻

医療と教育の連携を行い、
幅広い知見を養います

本専攻では、理論と実践の融合を図り、的確な理論的究明能力と高い専門性、柔軟な実践力を有する教師の育成をめざしています。このために、多くの授業科目を研究者教員と実務家教員のペア/TT(ティーム・ティーチング)で指導。また、学生のさまざまな関心や課題に応えられるよう、58におよぶ多様な授業科目を設定するほか、医学部などを有する総合大学の利点を生かし、医学をはじめ各種学問の成果と連携が図れる学習環境を用意しています。

高度教育実践者を養成する特色

3つの科目群を有機的に学び個性ある高度教職実践者を養成

教育と医療の連携

教職研究科のカリキュラムには、「教育と医療の連携」を組み込んでいます。
めざす「教育と医療の連携」とは、小児科医師である専任教員による共通基礎科目「学校生活と子どもの健康・病気」等により医学医療の知識や技能を習得すること(医学的アプローチ)だけではなく、一人ひとりの児童生徒のその時々の心の状態に即して教育を実践する力をつけること(臨床教育的アプローチ)や、児童生徒一人ひとりの病気のみならず体質にも考慮して教育活動を計画し学級の中で展開すること(学校マネジメント/教育活動的アプローチ)、肢体不自由や知的障害·発達障害等の児童生徒を対象とした特別支援教育における医療的視点やかかわりを理解すること(特別支援教育的アプローチ)、そしてそれらを学校経営の中に包括させること(学校マネジメント/学校経営的アプローチ)を指します。そうした4つのアプローチを実践するために、大学院生には講義で学んだ教育的内容と医学医療的内容を重ね合わせること(内容と内容をつなぐ)、教師と医師等との連携を構築し(人と人をつなぐ)、医療機関等との連携をコーディネートする力(組織と組織をつなぐ)を身につけることが求められます。

4つのアプローチ

コース

教職実践専攻の特長

ともに学び、高めあう学習環境

ともに学び、高めあう学習環境
学識経験豊かな教員陣による指導・支援のもと、開設科目の70%をティーム・ティーチング方式で実施しています。課題を見出し意見を交わし合うグループ討議、生徒指導などさまざまな場面を想定したロールプレーイングや多彩なフィールドワーク、帝京大学医学部附属病院や関連施設での実習など、仲間との研鑽を通して自ら考え実践する力を身につけます。また、学生を教員全体でサポートし、一人ひとりに応じたきめ細かな指導を行います。

教育と医療の連携

教育と医療の連携
2011年度に開設した板橋キャンパスでの「ワクワク学習教室」では、通常の学級に在籍しながら学習障害などの発達障害や身体障害などが原因で学習につまずく児童・生徒への個別学習支援を行っており、医学・心理学的なアセスメントから特別支援教育の専門家による学習指導につながる一貫した「教育と医療の連携」を実践的に学ぶことができます。
また、2017年度から、板橋キャンパスのシミュレーション教育研究センターによる救急救命講習を開始しました。救命処置の習得と教育現場で想定されるさまざまな状況での対処の仕方を専門のスタッフから最新の医療機器を用いて学びます。

グローバルな視野をもって学ぶ

グローバルな視野をもって学ぶ
2015年度に実施された海外学校視察が2016年度より高度化専門科目「海外学校教育実地研究」として正式科目となりました。2018年度以降は、オランダ・アムステルダム、イギリス・ダラムの学校や社会教育施設を中心に海外学校教育訪問調査を実施しています。各国の教育について理解を深めるとともに、日本の学校教育について見直す機会となっています。

 

学校・地域との連携
2014年3月より、多摩市教育委員会と学校教育の充実・改善および実践的指導力を身につけた教員の育成を目的に「教員育成プロジェクト」を実施しています。また、八王子キャンパス近隣の八王子市、日野市や相模原市などの公立学校との連携、共同研究とともに、医学部などがある板橋キャンパス近隣の学校・区教育委員会とも「教育と医療の連携」を特徴とした連携を進めています。
さらに、2017年度には独立行政法人教職員支援機構とも協定を結び、教師・学校・地域とつながった教職研究科づくりをめざします。

学び続けられる大学院をめざす

学び続けられる大学院をめざす
本研究科では、教育と医療の連携および学校・地域との連携を生かし、在学生、教員、修了生などの学内関係者や、実習先の先生といった教育支援者とのつながりやネットワークを大切にしています。そのため、在学中だけでなく修了後も学び続けられる大学院をめざし、在学生と修了生がともに学ぶ研究会を発足しました。研究会では、あらゆる事例を学習・研究することができる有意義な時間となっています。

帝京発達研究会
医療系学部を設置している板橋キャンパスの特色を生かし、教育と医療の連携を目的として2011年より活動を開始しました。「読み書きにつまずく児童への学習指導研究会」などの研修会も頻繁に開催し、在学生や修了生が特別支援教育やインクルーシブ教育、発達支援について学習・教育・研究を行っています。今後も地域住民と本学とのネットワーク構築をし、地域に貢献できる活動を行います。

帝京授業研究会
在学生や教員だけでなく、修了生も交えて授業改善や子どもと保護者との関係づくりなどについて相談し、研究することを目的として2012年より開催しています。児童・生徒のことを考えながら、授業計画と実際、今後の改善の見通しについて考え、さまざまな話題について検討することができる貴重な機会となっています。

帝京特支会(特別支援教育の会)
特別支援教育に携わっている在学生、修了生、教員が中心となり、2016年より活動しています。板橋キャンパスで行っている個別学習支援「ワクワク学習教室」などの場を借りて、教員からの話題提供、修了生からの活動報告を行っており、貴重な情報交換の場となっています。インクルーシブ教育、特別支援教室のあり方など、毎回さまざまなテーマで議論を行い、特別支援教育について理解を深めています。

シラバス

領域 授業科目
教育課程の編成・実施に関する領域
  • 創意ある教育課程の作成と評価(Aクラス)
  • 創意ある教育課程の作成と評価(Bクラス)
各教科などの実践的な指導方法に関する領域
  • 確かな学力の育成と学習指導計画の作成個の学びを支援する授業方法と授業研究
生徒指導・教育相談に関する領域
  • 生徒指導・特別活動の理論と事例研究
  • 児童生徒の心の理解とケア
学級経営・学校経営に関する領域
  • 学習・生活集団の育成と学級経営
  • 学校組織マネジメントと特色ある学校づくり
学校教育と教員の在り方に関する領域
  • 変化する社会と学校教育の役割(Aクラス)
  • 変化する社会と学校教育の役割(Bクラス)
教育と医療の連携に関する領域
  • 学校生活と子どもの健康・病気

 
領域 授業科目
実習に関する領域
  • 教育実践基礎研究 Ⅰ
  • 教育実践基礎研究 Ⅱ
  • 教育実践研究 Ⅰ
  • 教育実践研究 Ⅱ
  • 教育実践課題研究 Ⅰ
  • 教育実践課題研究 Ⅱ

実習科目の履修スケジュール

領域 授業科目
授業実践領域 授業改善・開発研究に関する科目
  • 授業づくりと教材研究Ⅰ(人文系)
  • 授業づくりと教材研究 Ⅱ(自然系)
  • 授業づくりと教材研究 Ⅲ(総合系)
  • 授業づくりと指導法研究Ⅰ( 人文系)
  • 授業づくりと指導法研究 Ⅱ(自然系)
  • 授業づくりと指導法研究 Ⅲ(総合系)
  • 道徳性を育てる授業づくりと授業研究
教科教育開発研究に関する科目
  • カリキュラムの開発評価と実践研究
  • 学力論・評価方法と実践研究
学校臨床実践領域 生徒指導・教育相談に関する科目
  • チームで取り組む生徒指導とネットワークづくり
  • 学校カウンセリングの理論と実際 ※1
  • 児童生徒理解と心理教育的アセスメント ※1
  • 問題行動の究明と児童生徒指導計画
学校臨床実践研究に関する科目
  • 教育実践リフレクションⅠ ※2
  • 教育実践リフレクションⅡ ※2
  • 教育実践リフレクションⅢ ※2
  • 教育実践リフレクションⅣ ※2
  • 授業づくりとメンタリング
学級・学校経営実践領域 学級経営に関する科目
  • 個が生きる学級集団づくりと実践研究
  • 開かれた学級・学年経営と実践研究
学校経営に関する科目
  • 学校組織マネジメントと学校評価
  • 「開かれた学校づくり」と事例研究
  • 学校安全・危機管理と事例研究
特別支援教育実践領域 教育制度、仕組みに関する科目
  • 小学校などにおける特別支援教育研究
  • 発達障害教育研究
  • 知的障害教育研究
  • 肢体不自由教育研究
心理、病理、生理に関する科目
  • 発達障害児・病弱児の心理
  • 発達障害児・病弱児の生理・病理
  • 知的障害児の心理・生理・病理
  • 肢体不自由児の心理・生理・病理
教育方法などに関する科目
  • 交流および共同学習実践研究
  • 発達障害教育授業研究
  • 知的障害教育授業研究
  • 肢体不自由教育授業研究
発展的領域 総合的・横断的な教育課題に関する科目
  • 教育関係法規の理論と実際
  • これからの学校教育と教育政策・行政
  • グローバリゼーションと国際教育
  • 情報リテラシーの育成と教育情報の活用・管理
  • 保育・子育て支援と保幼小の連携
  • 地球・生命・環境と人類
  • 海外学校教育実地研究
教育と医療関連に関する科目
  • 発達障害などの理解と指導・支援
  • 児童生徒の心のケアと精神科学
  • 脳科学と教育
  • ※1隔年開講の科目です。
  • ※23年修了プログラムの学年は、「教育実践リフレクションⅠ・Ⅱ」を2年次に、「教育実践リフレクションⅢ・Ⅳ」
  • 高度化専門科目群は、研究者教員と、教育経験豊かな実務家教員とのペアで授業を行います。(特別支援教育実践領域と発展的領域を除く)
  • 各科目の配当単位数は1-3単位となっています。
  • 配当年次は、コースやプログラムによって異なりますので、注意して履修してください。

高度化専門科目の履修モデル(モデル指定科目)

シラバス

教職実践専攻のシラバス

成績評価と単位認定

成績評価

成績評価は、セメスターごとに(通年科目のみの履修者については年度末)にポータルサイトにて発表します。ただし、修了判定(合格または不合格)については大学にて成績表を配付します。評価の基準は下記の通りです。

評価 評点 判定
S 100~90点 合格
A 89~80点
B 79~70点
C 69~60点
D 59~0点 不合格

単位認定

2020年度以降入学生

コース 共通基礎科目 高度化専門科目 実習科目 合計単位
スクール・リーダーコース 18 18 10 ※ 46
教育実践高度化コース 18 18 10 ※ 46

2019年度以前入学生

コース 共通基礎科目 高度化専門科目 実習科目 合計単位
スクール・リーダーコース 22 14 10 ※ 46
教育実践高度化コース 22 14 10 ※ 46
  • 課題研究報告書の提出と成果発表を含みます。

1年修了プログラム

1年間に履修できる上限単位数は、実習科目を除いて、下記のとおりです。

  • 小学校、中学校・高等学校教諭および養護教諭の専修免許状を取得する場合、ならびに専修免許状を取得しない場合は、修了要件単位数に加えて、6科目12単位(1セメスター3科目6単位)を上限とします。
  • 特別支援学校教諭の専修免許状を取得する場合は、免許状取得のために必要な単位数に加えて、6科目12単位(1セメスターに3科目6単位)を上限とします。
  • 現在勤務している学校種の免許状が二種で、将来一種免許状に切り替えられる予定があり、さらには専修免許状取得を希望する場合も含みます。

2年修了プログラム

  • 1年間に履修できる上限の単位数は、実習科目を除いて、36単位です。
  • 教職実践高度化コースの場合は、1年次に共通基礎科目群(2020年度以降入学生は12~16単位、2019年度以前入学生は16~20単位)、高度化専門科目群(8~12単位)を取得することが望ましいです。

3年修了プログラム

  • 1年間に履修できる上限の単位数は、実習科目を除いて36単位です。
  • ただし、小学校教諭一種免許状取得のための教職課程と教職大学院の教育課程を履修するために1年次と2年次以降でそれぞれ履修の指示があります。