シルクロード学術調査団 2017年度 第1次調査速報 vol.7

第2シャフリスタン 瓦の帯状堆積の発見

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調査風景

第2シャフリスタンでは、幅約2m、南北の長さ25m以上にわたる瓦の帯状堆積を検出しました。

 

この大量の瓦の出土は、唐の時代にこの場所に建物があったことを示すもので、今回の調査成果のなかでも特に注目される発見となりました。

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瓦帯には平瓦・丸瓦、熨斗瓦、軒丸瓦のほか、磚や土器片などの出土を確認しています。

 

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堆積状況の観察から、建物は調査区の東側にあったこと、

またその建物の基礎と思われる土層にも瓦が混在していることが明らかになりました。堆積1_ページ_1 堆積1_ページ_2

2015年に実施した東京文化財研究所・早稲田大学の第2シャフリスタン中枢域城壁部の調査(報告書:外部リンク)においても、壁帯の下で瓦の集積が確認されています。

これらの成果から、第2シャフリスタンでは大規模な修築もしくは建て替えが行われた可能性が伺えるようになりました。

 

そのほか、瓦の堆積とともに、化粧土(漆喰か)と思われる破片や炭化物・焼土が混在していることがわかりました。焼土・炭化物の検出から、砕葉鎮は焼失した可能性が伺えます。

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本調査は、日本学術振興会科学研究費補助金基盤研究B(海外学術調査)(課題番号15H05166)研究代表者 山内和也「中央アジア、シルクロード拠点都市と地域社会の発展過程に関する考古学的研究」と連携して実施している。

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