学修・研究支援センターの概要
学修・研究支援センターの概要

「知識」「探究」「コミュニケーション」を重視した教養教育を推進しています

大学における教養教育の位置づけは、大学ごとで異なります。多くの大学はディプロマポリシーを具現化するため、専門教育の充実にしのぎを削っています。しかし、専門教育の質を高めるためにも、教養教育の涵養が不可欠です。教養教育をどのように捉えるか、時代とともに変遷してきました。多くの大学では、未だ、専門教育の基礎教育と位置づけています。教養教育は、学生が社会に出てからも役立つ、批判的思考力、洞察力、複眼的視野を育むためのものでなければなりません。教養教育は、大学教育の質を測るバロメーターとなります。昨今、「グローバル人材」「グローバル社会」の重要性が喚起されているなかで、大学教育、なかでも教養教育をどのように位置づけるかが問われています。本センターでは、「知識力」「探究力」「コミュニケーション力」を備えたグローバル市民の育成を目標に掲げ、これに対応する3つの機能「学修支援部門」「教養教育部門」「研究支援部門」をセンター内に設置し、各学部・学科と密接な協力関係のもと、本学がめざす教養教育を行っています。 本センターの活動は、初年次レベルに留まらず、大学全体の学修および研究支援も包括します。すなわち、各学部学科のカリキュラム・ポリシーはもとより、ディプロマポリシーにも、このグローバル市民の育成の理念を反映します。新しいセンターは少数精鋭でありますが、客員教授制を導入して、内外から幅広く人材を確保して、センターの活動に当たります。

センターの理念

センター長からのメッセージ

センター長
井上 史子教授
センター長 井上 史子教授

本センターの英文名称を、(Center for Active Engagement and Student Learning ,CAESL)とします。教員がサポートするというよりも、学生が自ら学修や研究に積極的に取り組んでもらいたいとの表われです。戦後教育の骨幹は、「一般教育」と「単位制度」でした。周知のように、「一般教育」は解体され、「教養教育」「一般教養」などに代替されました。単位制度も形骸化され、ほとんど機能していません。「一般教育」という考えは戦前にはなく、戦後アメリカから導入されたもので、その根底にリベラルアーツという考えがあります。しかし、このリベラルアーツを的確に表現する日本語がなく、「教養教育」と訳した。リベラルアーツと日本における教養教育の概念は、似て非なるものです。リベラルアーツとは、書いて字のごとく、リベラルな発想で、どのようにアーツ(批判的思考力・複眼的視野の技法)するかが問われるものです。したがって、教授法が重要になります。必ずしも、知識伝達に限ったものではありません。

どのような専門科目であっても、リベラルアーツにもとづく教授法で教えることが可能です。したがって、アクティブラーニングが不可欠な教授法の一端となります。
本センターでは、授業や学生の学習を活性化するために、ICTを積極的に活用し、反転授業の導入を促す授業実践を支援します。また、カナダで開発された評価と学習方法を一体化したICEモデル(注:スー・ヤング『「主体的学び」につなげる評価と学習方法―カナダで実践されるICEモデル』(東信堂、2013年)を参照)の実践・普及をめざします。
アメリカのノースカロライナ州にイーロン大学という小規模のリベラルアーツ大学があります。この大学は数十年前までは「無名」の大学でしたが、アメリカ屈指の優良大学に変革した。これは当時の学長がリベラルアーツの「教養教育」に重点を置いたからです(注:ジョージ・ケラー・堀江未来(監訳)『無名大学を優良大学にする力―ある大学の変革物語―』(学文社、2015年)を参照)。
イーロン大学にElon101という、八王子キャンパスの「ライフデザイン演習」に相当する科目があります。この授業では教員はもとより、大学図書館員も総出で担当します。Elon101の授業の特徴は、初年次に4年間の大学生活を視野に入れた指導を徹底しているところです。2015年9月にアメリカのFDに関する最大組織であるPODネットワークと帝京大学高等教育開発センターが、POD/Teikyo Collaboration Project 2015を開催したとき、PODネットワークの当時の会長ディアンドラ・リトルが、イーロン大学高等教育開発センター長であったことから、イーロン大学を視察し、その内容とともに教養教育について見聞を広めました。このイーロン大学の教養教育の柱となっているのが「グローバル市民の育成」です。Elon101担当者と意見交換を行いました。以下のHPのイラストは、イーロン大学を参考にしたものです。

センター長
井上 史子教授

  • Eastern Asia University (Education Administration and Change Leader)教育学博士(Ed.D)取得
  • タイ国立スラタニラチャパット大学教育学部講師
  • 立命館大学教育開発推進機構FD支援嘱託講師
  • 帝京大学高等教育開発センター准教授を経て、2017年より現職に就任

センターの理念

高校から大学へと進学する際に学ぶ導入教育は、その後の学習意欲を左右する大きな分岐点です。本センターでは、導入教育をはじめ教養教育全般において、さまざまな形で「学びの転換」を仕掛け、学生たちが潜在的に持っている「学ぶ楽しさ」を刺激することをめざしています。高校から大学への「学びの転換」の仕掛けは不十分です。生徒から学生に呼称が変わっただけではありません。具体的には、これまでの受動的な学びから主体的・能動的な学びと変わります。したがって、「学習」から「学修」と変化します。本センターが「学習支援」と呼ばず、「学修支援」と称した所以がそこにあります。また、「総合基礎科目」「言語教養科目」「自己啓発支援科目」などを通して、あらゆる職業や専門分野において共通する、根本的な能力の器と人間力とを養います。

センターの目的と方針

出典:イーロン大学
出典:イーロン大学
「教養教育」「学修支援」「研究支援」の3機能により、「グローバル市民」の育成をめざします

本センターは、教養教育における「グローバル市民」の育成を目標に掲げています。その中でも、グローバル市民の育成に必要不可欠な「知識」・「探究」・「コミュニケーション」に重点を置き、「教養教育」「学修支援」「研究支援」の3つの機能に分かれた教育支援活動を行っています。

  • 【教養教育部門】 (知識―グローバル市民教育の育成)
  • 【学修支援】 (コミュニケーションの促進)
  • 【研究支援部門】 (SoTL※の推進)

 

  • SoTL – Scholarship of Teaching and Learning 教員による自己の授業実践に対する学術的探究を通して、教授と学習のプロセスを改善する活動。

設立の経緯

本センターは、大学教育課程の専門教育に分類されない部門を学部学科を横断的に取りまとめ、さまざまな教育課題や教養教育の検討、改善を実質的に行うために、「帝京大学総合教育センター」として2007年に発足しました。

特にFD活動においては、FD委員会との強い結びつきに加え、さらなるFDの研究・開発を行うため、2011年に設置された帝京大学高等教育開発センター(CTL)と連携するなど、FDの実践を担うための組織として、全学に不可欠な存在へと進化を遂げてきました。

2017年には「帝京大学学修・研究支援センター」に名称を変更し、グローバル市民の育成に軸を置いた教育支援組織として再編成されました。