中長期計画
中長期計画

本学では、昭和41年の設立以来、時代の要請に呼応して、新学部の設置、留学制度の整備、入試制度の改革等を断行してきましたが、今日のように変化の激しい不透明な時代に、本学の教職員が目指すべき方向性を明確にし、そして建学の精神、教育理念および教育指針を具現化するため、5年から10年後までに達成したいと考えている行動計画を策定しました。

学長 冲永佳史からのメッセージ

「自分流」の確かな実現に向けて格段の努力を続ける覚悟です

帝京大学(以下、「本学」という。)の建学の精神は、「努力をすべての基とし偏見を排し 幅広い知識を身につけ 国際的な視野に立って判断ができ 実学を通して創造力および人間味豊かな専門性ある人材の養成を目的とする」であり、この理想を高等教育の場を通して実現するために本学を設立しました。

建学の精神に盛り込まれた理想を実現するため、本学は学生が持つべき行動指針として「自ら問題意識をもって行動し、それによってもたらされる結果に対しては、自分で責任を持つという生き方」をあらわす教育理念、すなわち「自ら立ち自ら律する人間であることを期待する言葉」である「自分流」を掲げ、本学教員が教育を行うに当たって、また、学生が学ぶに当たっての根本理念として位置づけています。

また、建学の精神に則った人材を養成するためには、意志と知恵と判断力、そして精神的包容力、すなわち知・情・意をバランスよく醸成することが肝要です。そのための具体的な教育指針として「実践を通して論理的な思考を身につける『実学』」、「異文化理解の学習・体験をする『国際性』」、「必要な知識・技術を偏ることなく幅広く学ぶ『開放性』」を掲げています。これら三つの言葉は、教育の内容とその方法を規定するものであり、教育理念を豊かに実現するための必要条件といえるものです。

そして、本学の使命および目的は、「本大学は、教育基本法および学校教育法の本旨、並びに建学の精神に則り、高等学校教育の上にさらに専門的知識と高度の理論並びに技術を教授し、グローバルな観点から社会の発展に貢献できる、創造性の溢れた教養高い人材を養成することを使命および目的とする。(一部省略)」であり、建学の精神に則った人材の養成を目指しています。

加えて、建学の精神を踏まえ、学部・学科等ごとに個性、特色および具体的に目指す方向性を教育目的として策定しています。

本学は、昭和41年の設立以来、時代の要請に呼応して、新学部の設置、留学制度の整備、入試制度の改革等を断行してきましたが、今日のように不透明な時代に、本学の教職員が目指すべき方向性を明確にし、そして“建学の精神”、“教育理念”、“教育指針”、“使命および目的”ならびに“教育目的”を具現化するため、平成25年度に5年から10年後までに達成したいと考えている行動計画を策定しました。

策定から5年が経過し、今尚大学を取り巻く環境は激しく変化しています。社会がこれからの大学に求めているものに対し速やかに対応するため、中長期計画の一部見直しを行います。

 

平成25年5月 策定
平成31年4月 一部修正

帝京大学学長 冲永 佳史

建学の精神、教育理念および教育指針を具現化するための行動計画

行動計画

  1. 教育課程の体系的な編成
    • ディプロマ・ポリシーおよびカリキュラム・ポリシーの一体性、整合性が確保されているか検証し、必要に応じ見直しを実施します。
    • カリキュラム・ポリシーに沿った体系的な教育課程を編成するため、ナンバリングおよびカリキュラム・マップの活用等により、さらに順次性のある体系的なカリキュラムへの改定を推進します。
    • 本学の「教養教育ミッション」に則り、生涯学び続ける力を修得するための教養教育を行い、専門教育とバランスのとれた教育課程を実施します。
  2. 教授方法の工夫・開発
    • 学年ごとの履修登録制限単位数の適切な設定や、シラバスの記載内容の見直し、学生の事前事後学修の検証を行う等、単位の実質化を図ります。
    • 学修支援のため、ICTを活用した教育システムを構築します。
    • 各キャンパスにおけるFDの取り組みを強化するとともに、キャンパス間の情報共有や連携強化のためのFDネットワークを構築し、教育内容および教育方法等の改善を行います。
  3. 学修成果の点検・評価
    • 教学IRを活用した適切かつ効果的な方法で情報を収集・把握し、学修成果の可視化を図ります。
    • 学生の学修成果の点検・評価について、その目的、達成すべき質的水準や具体的実施方法を定め、アセスメントを実施します。
    • 国家資格を目指す学部・学科等において、国家試験合格率の向上・維持を目指し、指導を充実します。

  1. 教育研究組織の整備
    • 社会的要請に積極的に応えるため、学部・学科の新設を含めて教学組織の見直しを随時行います。
    • 本学の研究力の向上および研究活動の活性化を推進・支援するための組織を整備します。
  2. 学生支援体制の整備
    • 学生からの意見・要望をくみ上げ、学修支援、学生生活、学修環境等の改善に教職協働で取り組みます。
    • 学生一人ひとりの多様なニーズに対応するため、学生の心身に関する健康相談、生活相談等の相談支援体制の充実を図ります。
    • インターンシップを含めたキャリア教育の内容と効果の検証等を実施し、キャリア支援体制の拡充を図ります。
    • 学業成績および人物が優秀な学生、または経済的に修学が困難となった学生等に対する奨学制度の拡充に取り組みます。
    • 図書館における学術情報資源を充実させるとともに、利用の促進と利用方法の周知を図ります。
  3. 研究支援体制の整備
    • 教育の基盤となる研究活動の充実を図るため、研究環境を整備します。
    • 研究活動に係る不正行為防止に取り組むため、研究倫理を確立します。
    • 科研費を含む外部研究資金を確保するため、大学として組織的な取り組みを実施します。
  4. 教育研究施設の整備
    • 既存の土地や建物の有効活用、および施設の拡充を図り、魅力的な教育研究環境を提供します。
    • ファシリティマネジメントの体系的な推進を図り、教育研究施設の維持・管理を徹底します。

  1. 内部質保証の推進
    • 教育研究活動の質と学生の学修成果の水準等の内部質保証のため、学長を中心とする教学マネジメント体制を整備するとともに、自己点検・評価を推進します。
    • 各キャンパス等においてPDCAサイクルの仕組みを確立することにより、内部質保証システムを構築します。
    • IR機能を整備し、データの収集と分析を行うことにより、内部質保証を推進します。
  2. 管理運営体制の整備
    • 円滑に大学運営業務を遂行するため、学内規程の整備を進めるとともに、大学に求められる社会的責任を果たすため、コンプライアンス体制を整備します。
    • 大学組織内における相互チェック機能を強化し、業務の有効性および効率性の向上を図ります。
    • 大学運営に関わる教職員の知識および技能等の修得、ならびに能力および資質等の向上を目的として、SDを推進します。
    • 組織の活性化を図るため、人材の流動性を高め、職員の適切な配置を行います。
    • 情報セキュリティ管理、および緊急時の危機管理等、幅広いリスクマネジメント体制の確立を図ります。
  3. 安定した財務基盤の確立
    • 安定した財務基盤を確立し、収支バランスを確保するため、中長期の資金計画を設定します。
  4. 社会連携の推進
    • 研究成果を社会に還元するため、産学連携を推進します。
    • 各キャンパスが地域の拠点として貢献できるように、地域連携事業を推進します。
    • 高校生の学習・進学に対する意欲向上、および大学の学びへの接続を目的として、高大連携を推進します。
    • 多彩な教育・研究が行えるように、大学、企業、その他の機関との連携を推進します。
  5. 広報活動の強化
    • 多様な広報媒体による情報発信により、帝京ブランドを確立します。
    • 高等教育機関としての社会的説明責任を果たすため、教育研究活動等の情報の公表を促進します。
    • 卒業生に本学の最新状況を提供する等によって、卒業後もつながりを保持していきます。
    • キャンパス毎の特性を生かし、公開講座等を開催することによって、地域住民の本学に対する理解を深めるよう取り組みます。

  1. 海外大学との提携
    • 海外大学との単位互換等の提携を通じて、有機的な横の繋がりを広げていきます。
  2. 国際交流の促進
    • 海外からの留学生受入れを促進するため、教育プログラムの開発および奨学制度の充実等、留学生にとって魅力的な学内体制を整備します。
    • 海外への学生の留学を促進するため、海外大学への留学制度および海外研修制度の充実を図ります。
    • キャンパスのグローバル化を促進するため、外国人留学生と日本人学生が多様な価値観を共有し、交流できる環境を整備します。

  1. アドミッション・ポリシーの検証
    • ディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシーとの整合性を図りながら、アドミッション・ポリシーにおける養成したい人材像に必要な素養について検証します。
  2. 入試制度の整備
    • アドミッション・ポリシーに即して、資質の高い学生を受け入れることができるように、入試選抜方法別に学生の卒業時における状況を分析することによって、選抜方法の適切性を検証します。
    • 高大接続改革に対応した入試制度を構築するため、継続的な見直し・検討を行います。
    • 社会人入学を推進する等、多様な学生を受け入れる体制を整備します。