機械・精密システム工学科の卒業研究

卒業研究を通して産業界の要請に応える技術者、研究者を育成します

4年次に実施される卒業研究では、研究計画の立案、文献調査、研究、結果の分析などを通して、課題発見能力、問題解決能力、コミュニケーション能力を養い、多様化する産業界の要請に対応する技術者、研究者の育成をめざします。今後は自動車関連分野、受動歩行ロボット、製鉄用高炉などの実践的で専門性の高い研究が行われる予定です。

卒業研究紹介

機械・精密システム工学科の学生による卒業研究を紹介します。

青木研究室

水素燃料電池とモーター・バッテリーを用いた小規模移動体用駆動系の最適化に関する研究

水素燃料電池とモーター・バッテリーを用いた小規模移動体用駆動系の最適化に関する研究

小規模移動体の対象は水素燃料電池カートで、直流モーターおよび交流モーター、バッテリーおよび電気二重層コンデンサ(スーパーキャパシタ)とを組み合わせた2つのタイプです。走行を含めた実験を行い、水素燃料電池の発電量、モーターの消費電流と発生トルク、速度等のデータの取得と解析を行い、最適化への改良を行います。また走行データの計測システムや解析方法に関しても検討します。また、水素燃料電池スタック発電電圧と走行速度高速化とのトレードオフのため、シンプルで低価格な水素燃料電池カート用変速機構の開発についても検討します。なお同時に、重量配分の最適化のために、CATIAによるカートの車体構造検討も含めて研究を進めます。

池俣研究室

受動歩行ロボットに関する研究

受動歩行ロボットに関する研究

現代の歩行ロボットは、高精度なセンサー、高性能なモータおよび高度な制御からなる、最先端テクノロジーの結晶です。ヒューマノイドロボットの歩行はある意味で完成の域に達しています。このような状況でも無視できない存在となっているのが、「受動歩行ロボット」と呼ばれる歩行ロボットです。受動歩行ロボットは、アクチュエータ、センサーおよび制御を一切用いずに、緩やかな下り坂を歩くことができます。受動歩行は、脚軌道があらかじめ決められているわけではなく、歩行機のもつダイナミクスと環境との相互作用のみによって歩容を生成します。また、受動歩行は自然でエネルギー効率が高いことで知られ、ヒトの歩行に近いとも言われています。本研究室では、受動歩行原理に基づいた歩行ロボットを開発しています。また、受動歩行原理からヒト歩行のメカニズムを解析します。

磯貝研究室

組合せ応力における耐熱材料の耐疲労信頼性に関する研究

組合せ応力における耐熱材料の耐疲労信頼性に関する研究

高温機器の主要部は、熱に強い「耐熱材料」で作られていますが、各部材は実際の機器の使用状況によってさまざまな力学的条件にさらされます。例えば、航空機用ジェットエンジンでは、エンジン回転数の変動や運航中の振動等によって部材に繰返し力が加わりますが、その負荷は一方向の引張・圧縮ばかりではなく、曲げ+捩りというような複雑な力(組合せ応力)を受ける部材も多数存在します。この種の部材の信頼性を確保するためには、使用状況に合った条件で材料の耐久性を調べておくことが重要です。この研究では、高温下で耐熱材料に組合せ応力を繰返し負荷する実験(疲労試験)を行い、き裂がどのような条件で、どのように発生・成長して破壊に至るかを調べます。さらに、電子顕微鏡による破面の観察などにより、組合せ応力の場合の高温における疲労き裂進展の仕組みについて研究します。

篠竹研究室

製鉄用高炉の羽口先燃焼帯における流動現象に関する研究

製鉄用高炉の羽口先燃焼帯における流動現象に関する研究

微粉炭を燃焼させて熱源としている製鉄用高炉で排出されるCO2削減のために、微粉炭に代えて天然ガスやバイオマスを吹き込んだ場合を想定して羽口先の現象の変化を見る研究です。高炉の縮小模型(コールドモデル)実験装置を使って固体粒子(コークスを想定)充填層にガスや粉体を吹き込んだ場合のレースウェイ(固体粒子が送風で吹き飛ばされて循環し、空隙率が高い空間ができる)の生成と固体粒子の流動挙動を調べ、吹込み径、風速、吹込み物質の物性値の違いがレースウェイ形状や大きさにどう影響するかを実験します。また、羽口部分の断面形状が観察できる2次元模型と実高炉同様円周方向に複数の羽口を設けた3次元模型を用い、2次元と3次元の実験特性の違いを把握します。

不均一な熱伝導プロセスにおける伝熱挙動に関する研究

不均一な熱伝導プロセスにおける伝熱挙動に関する研究

熱伝導率が異なる物質が混合している系での伝熱挙動は、高熱伝導率物質と低熱伝導率物質の分布、混合状態によって大きく変化します。そこで、加熱や冷却を加速してプロセスの効率を高めるには混合状態をどのように制御すればよいかを研究します。例えば製鉄用高炉の下部には高熱伝導率の銑鉄、低熱伝導率のコークスが混在しています。このような系の非定常伝熱を模型実験やCFDモデルによりシミュレーションします。2014年度は高熱伝導率物質と低熱伝導率物質の混合状態を変化させて伝熱挙動を測定できる模型実験装置の設計と新規製作、装置の立ち上げを卒業研究の主題と考えます。

大野研究室

大野研究室

ボールエンドミルを用いた光学ガラスの微細曲面切削

脆性材料である光学ガラスに着目しボールエンドミルと呼ぶ回転工具を用いて曲面切削を行う場合の加工特性を検証しています。ガラスを切れ刃に凹凸が存在する工具を用いて切削した場合に亀裂が発生しますが、なぜ亀裂が発生するのか?そのメカニズムについては明確にされておりません。そこで、自然界で最も硬度が高いダイヤモンドを使った先端が半円形をしたボールエンドミルと呼ぶ回転工具に対し、その切れ刃先端に周期的な凹凸をFIB(集束イオンビーム加工機)と呼ぶ機械で生成し、凹凸が存在する場合にどのように亀裂が発生するのかを検証しています。

森研究室

先進ディーゼルエンジンの燃料の多様性と健康影響研究

先進ディーゼルエンジンの燃料の多様性と健康影響研究

ディーゼルエンジンは熱効率が高く燃費が良く、多様な燃料を燃やすことができることから、2050年をめざした低炭素化社会実現に向け、ディーゼルエンジンの効率向上や低CO2化が期待されています。一方で、ディーゼル排気中に含まれるPMに加えPM2.5よりも小さなナノ粒子の健康影響が議論されています。そこで森研究室では、エンジンオイル性状を変え、オイル温度を上昇させた性能研究や、バイオディーゼル燃料(BDF)の軽油との混合比を変えた燃焼研究を推進しています。そして各々のパラメータの影響を詳細に調査・把握し、エンジン仕様やBDF活用に向けた提案をすることでの社会貢献をめざします。

日野研究室

ハニカム構造体の曲げ加工

ハニカム構造体の曲げ加工に関する研究

最も一般的に使用されているハニカム材であるアルミニウム合金ハニカム構造体について、圧縮・三点曲げ・型曲げなどの基本的な加工を行い、その加工特性を研究します。ハニカム材に塑性加工性が付与できれば、適用範囲の飛躍的拡大が期待できます。三点曲げ試験では上部中央支点付近で局所変形が発生しました。また、意図した半径での加工に至らず、ハニカム材が破損することもあります。変形挙動を詳細に検討し対策を講じています。さらに上下の圧子形状が同様の形状で加工し、その特性を検討する型曲げ加工を行っています。今までの研究によって、型曲げと三点曲げの圧子を組み合わせた加工が効率的であると思われるので、さらに効率的な加工を研究中です。

頃安研究室

アルミニウム合金の消失模型鋳造法における湯流れに関する研究

アルミニウム合金の消失模型鋳造法における湯流れに関する研究

消失模型鋳造法とは、発泡スチロール模型を乾燥砂中に埋没させ、そのまま溶融金属を注入し、模型の熱分解による空洞に溶融金属が流入して、鋳物を得る方法です。本研究室では、発泡模型にコーティングする塗型の通気度によってアルミニウム合金溶湯の湯流れ速度がどのように変化するかについて、タッチセンサーを用いて実験的に検討し、また熱電対を用いて湯流れ中の溶湯温度を測定し、湯流れ方向への溶湯温度低下に及ぼす塗型の断熱性や湯流れ速度の影響について検討します(上図)。さらに、本研究室で提案した湯流れモデルを用いた計算値と実験値を比較することによって理論的にも検討を行います(下図)。

黒沢研究室

自動車の高周波車内騒音予測技術の研究

自動車の高周波車内騒音予測技術の研究

自動車の車内には、エンジン音、タイヤ騒音、風きり音などさまざまな騒音が入ってきます。これらの車内騒音を予測する技術について研究します。具体的には、市販のハイブリッドSEA(統計的エネルギー解析)ソフトを用いて、解析モデルの作成、実験計測結果と計算結果の比較、部品変更による音響特性の変化と車内音の変化の関係等を研究します。

弦楽器(ヴァイオリン)の振動・音響特性の研究

弦楽器(ヴァイオリン)の振動・音響特性の研究

弦楽器は職人や工場で生産されていますが、過去の経験や職人の勘などによって製作されているのが実情です。構造(形状)・材料をどのように変更したらどのような音(振動)が出るか、などを実験やCAEを用いて工学的に研究します。

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