産学官連携
産学官連携

機械、素材、バイオ、航空宇宙など多岐にわたる分野で共同研究を推進

理工学部では、自動車メーカー、素材メーカー、バイオ関連メーカー、そして航空宇宙関連などの企業、さらに宇宙航空研究開発機構(JAXA)などの研究機関や自治体、他大学と共同で多岐にわたる技術研究や開発を積極的に進め、数々の成果をあげています。

フェルト、またはウレタンフォームを含む積層防音材の音響性能 予測技術の研究

層防音材の有限要素モデル
層防音材の有限要素モデル

【共同研究先】アサヒゴム株式会社
フェルトやウレタンフォームは自動車の防音材料として広く用いられています。吸音・遮音性能向上のため、ゴムシートやビニールフィルム、フェルト等と積層して用いることも多用される手法です。フェルトやウレタンフォーム単体の吸音・遮音性能は市販の性能予測用解析ソフトでも良い結果を示しますが、それらの素材を積層した状態(特に通気性の無い材料を積層した場合)では解析精度が低く、音響特性を十分に予測することができません。本研究では、フェルトやウレタンフォームを含む積層防音材の吸音・遮音性能を予測可能にする技術研究を行っています。

自動車メーカー企業と、繊維の吸音率予測技術の開発

自動車に用いられる繊維吸音材
自動車に用いられる繊維吸音材

繊維がどれだけの音を吸音するのか、その予測技術の開発を行っています。繊維の吸音率を予測するためには、Biotパラメータを計測する必要がありますが、そのためには大掛かりな計測装置が必要となります。そのため、繊維の繊維径、密度、目付けから吸音性能を予測する技術を開発し、自動車に最適な繊維径や繊維配合を検討しています。

 

製鉄プロセスの燃焼・伝熱の研究

高炉の図
高炉の図 (新日本製鉄(株)編著「鉄と鉄鋼がわかる本」より)

【共同研究先】新日鐵住金株式会社
高炉などの製鉄プロセスにおける所要エネルギーや排出CO2を低減するために、燃焼・伝熱メカニズムなどに関わる基礎的な研究を行っています。

 

栃木県産小型人工衛星の開発

栃木県産小型人工衛星の開発
栃木県産小型人工衛星の開発

【共同研究先】栃木県および栃木県内協力企業
2021年11月9日(火)午前9時55分に内之浦宇宙空間観測所より打ち上げられた超小型人工衛星”TeikyoSat-4”は、まさしく栃木産の衛星といっても過言ではありません。OBC基板の設計・製作、高信頼性電源システムの開発(株式会社大日光・エンジニアリング)、CFRPパネルの設計・製作(株式会社テツカクリエート)、衛星の筐体製作(東都工業株式会社)、モジュール容器の設計・製作(株式会社湯原製作所)、MLIの設計・製作(栃木カネカ株式会社)、環境試験(栃木県産業技術センター)をはじめ、関係者・協力者の名前を記載した銘板の搭載など「産官学連民連携」の人工衛星となりました。

人工流れ星プロジェクト

人工流れ星プロジェクト
人工流れ星プロジェクト

【共同研究先】株式会社ALE、首都大学東京、日本大学等
株式会社ALE、首都大学東京、日本大学をはじめとする複数の企業、大学等と共同で、超小型衛星を用いて人工流れ星を発生させるシステムの実現にむけて研究活動を進めています。この人工流れ星プロジェクトでは、特殊な素材の流星源を軌道上から所定の方向に精密に放出し、大気圏に再突入させることにより、希望する時間、地域の夜空に自在に流れ星を発生させることをめざしています。航空宇宙工学科渡部研究室では、専門メーカーで開発された放出機構の各種試験・性能測定や、衛星内部で流星源を供給する機構の開発研究などを担当しており、プロトタイプモデルを用いた基礎実験などを実施しています。

微細藻類を用いたバイオ燃料生産技術を企業と共同研究

バイオ燃料生産技術
バイオ燃料生産技術

バイオ燃料開発を行っている企業との共同研究により、私たちの最先端の研究を応用に結び付ける取組みを行っています。微細藻類の遺伝子レベルでの環境応答解析や分子育種などに、今後の進展が期待されています。

 

高カカオチョコレートに含まれる健康機能成分に関する研究

カカオとチョコレート
カカオとチョコレート

【共同研究先】株式会社明治
CACAO72, CACAO86, CACAO70のように表示されており、チョコレートの原料であるカカオ豆の成分が多く含まれているチョコレートを高カカオチョコレートと呼んでいます。バイオサイエンス学科生体分子化学研究室(古賀仁一郎教授)は株式会社明治との共同研究で、高カカオチョコレートに含まれているカカオプロテイン(カカオ豆に含まれるタンパク質)が腸内環境を整え、お通じをよくすることを世界で初めて発見しました。さらに、高カカオチョコレートを摂取することで、大腸がんの抑制や炎症性腸疾患(IBD)の予防、糖尿病の予防が期待されている酪酸(短鎖脂肪酸)を生産する腸内細菌「フィーカリバクテリウム」の増加がヒトの腸内において認められました。この発見はNHK総合「あさイチ」や毎日新聞、朝日新聞をはじめ、数多くのメディアで取り上げられました。その影響で、高カカオチョコレートは大ヒットし、今でもお菓子売り場は高カカオチョコレート商品で賑っています。