臨床検査学科の授業紹介

正確な検査データと分析でチーム医療に貢献できる医療人をめざす

経験豊富な臨床医・臨床検査技師および研究者などから授業を受けられるため、総合的かつ実践的な知識が身につきます。年次があがるにつれて、機器の操作や臓器の形態や機能など専門的知識の理解を深めるとともに、チーム医療における役割を意識し、倫理観の高い人材を育てます。

人体の構造と機能

臨床検査分野で習得すべき医学の内容・知識の量は、基本的な部分だけでも膨大なものになってきました。本授業は、解剖学・生理学・生化学を1年次に広く浅く学ぶことによって、基本的な用語を覚えたり、知識のつながりや枠組みを頭の中に作り上げることを目標にしています。教養科目として化学や生物などの自然科学も従来どおり履修するわけですが、自然科学から医学・臨床につなげていくというのが難しい面もあります。たとえば化学から積み上げて生化学、医化学に到達するというボトムアップのやり方だけでは労力の割になかなか成果があがらない面もあります。早期から病気の話を取り入れ、医学の全体像や卒業時点での「完成像」をイメージしながら基礎医学の知識を身につけます。

微生物学総論

地球上の生態系も、そして私達の人体でさえも、目に見えない小さな微生物たちとの共存あるいはせめぎ合いで成り立っています。これらの微生物たちの一部は、発酵や分解作用などで私達の暮らしに役に立ったり、あるいは身体の表面や内部に棲みつき悪玉菌から守ってくれる働きもしています。ところが、身体の抵抗力が弱くなってしまうと、そのような微生物と生体とのバランスを欠いて逆に健康に悪影響が生じる場合もあり、ほとんどの人間に深刻な病気を引き起こしたり、生命を脅かすような病原体も存在します。本授業では、そのような微生物と人間とのかかわりや個々の微生物の性質などを学びます。

免疫検査学

免疫は微生物やウイルスなどによる感染に対しての生体防御機構です。一方、がんや自己免疫疾患など内部からの破壊に対する生体反応に対しても免疫応答が引き起こされます。自己と非自己を識別して非自己を排除する生体の仕組みは、裏を返せば自己に反応しないという免疫寛容という原則が成り立っています。免疫検査学Ⅰではこのような免疫系の仕組みを理解し、免疫学的検査が有用な疾患と検査の基本原理である抗原抗体反応に必要な知識を学びます。免疫検査学Ⅱでは実際の感染症、アレルギー、自己免疫疾患等の検査法を学び、検査結果を判定できるスキルを身につけます。また、輸血・移植関連検査である血液型検査、HLA検査についても学び輸血療法の目的と特性について理解を深めていきます。

病理学

病理学とは病気の原因を学ぶ教科と定義されますが、その今日的意味は国家試験に出題される病理学の出題範囲に限定されるものではありません。本授業ではいわゆる国家試験対策用の病理学だけでなく、病理学の他にも臨床病理学ⅠとⅡ、病理学特論などの教科を設けて、学生が臨床的事項や他教科知識との関連において広く人間の疾患を理解できるような講義を目標としています。病理学は先天異常、血管障がい、炎症、腫瘍などの疾患の起こるメカニズムを学習する病理学総論と、それらのメカニズムが循環器、呼吸器および消化器などの各臓器や器官にどのように作用して疾病をもたらすかを学習する病理学各論に分けられますが、さらに応用的な付帯教科を設けるとともに、実践的な病理組織標本を観察する病理検査学実習を平行させて、将来臨床検査技師として現場に立った時に医師と同じ視点で患者さんや疾患を診て、検査方針の立案などに寄与することのできる素養を磨きます。

遺伝子検査学

遺伝子解析技術が急速に進歩し、研究分野だけでなく遺伝子疾患の予防や早期発見、感染症の診断や治療において実用的に生かされるようになりました。遺伝子検査は、いまや臨床検査の重要な位置を占めています。講義や実習では「お酒に強い体質か」「性格の形成に係る遺伝子は存在するのか」、「インフォームドコンセントを含めた遺伝子診断に関するガイドライン」といった身近な事例や、遺伝子診断にかかわる時事問題などを織り交ぜながら遺伝子解析の原理・理論に対する理解を深めていき、そのうえで実習を通して遺伝子検出の手法を習得します。

医用電子工学

本授業では検査機器を正確な技術で安全に使用するための知識を学びます。検査機器は採取した血液や尿を検査する「検体検査」、身体に検査装置を装着して心電図や脳波を検査する「生理検査」などさまざまな業務で使われています。いずれの検査機器も多くの電子部品から組み立てられていて、部品の特性や原理を習得することで、検査値がどのような物質や身体の変化をとらえているのかを理解します。また近年は検査結果を電子カルテ上で取り扱うことが一般的になってきていますので、情報ネットワーや情報処理についても学習します。

血液情報解析学

血液はさまざまな成分から構成されていますが、大きく分けると血球成分(細胞成分)と血漿成分に分かれます。血球成分としては赤血球、白血球、血小板があります。これら血液細胞の腫瘍化、血球の数的・質的異常により、さまざまな病気が発症します。白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄増殖性腫瘍、骨髄異形成症候群、鉄欠乏性貧血、再生不良性貧血、溶血性貧血、出血性疾患などです。これらの検査・診断を行なうためには血液の基本的事項として、血球の働きや血球が造られる過程、血球のかたち、生体内での調節機構を知ることが必要です。また病気が発症する原因についても理解していなくてはなりません。血液情報解析学では血液学の基礎的事項を学びます。

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