心理学科の卒業研究

さまざまな対象をあらゆる側面から分析し、研究に挑みます

心理学科の卒業研究ではさまざまな対象のこころの動きやそのしくみについて学び、その中から興味を持った対象について専門的な学びを深めながら研究テーマを選択します。

卒業研究紹介

心理学科の学生による卒業研究の一部をご紹介します。

 

児童養護施設入所前体験と入所後の対人関係の形成プロセスについて

本研究では、児童養護施設に入所している児童が、入所前に体験したことにより、信頼感の形成にどのような影響を受けるかについて検討したものです。これらの内容について、施設勤務の担当ケアワーカー2名に、聞き取り調査を行いました。その内容を、グラウンデッド・セオリー・アプローチで分析しました。その結果、対人関係が良好な児童には22の概念と14のカテゴリー、対人関係が良好でない児童には21の概念と16のカテゴリーが生成されました。入所前のトラウマが、その後の信頼感の形成に影響していたが、時間をかけてのかかわりの中で信頼感が徐々に形成されることもわかりました。施設での体験が、対人関係における信頼感形成に大きく関係していることが示され、施設の意義ある役割を強調することができます。

 

知的障害児の家族関係と自立に関する研究-知的障害者施設職員による親サポートも含めて-

この研究では、知的障害児施設に通う児童の家族関係と自立について、特に母子間の距離と児童の自律との関係に着目しています。対象は、都内のある社会福祉法人が運営する知的障害者通所施設の職員4名です。対象者に半構造化面接を実施し、得られたデータは、グラウンデッド・セオリー・アプローチにより分析しました。その結果、母子密着が起きやすい状況の中、施設のかかわりによって、狭くなりがちな家族関係を広げたり、家庭と学校の連携を図ったり、親に時間や精神的な余裕を作ることにつながる点が見出されました。このような日常生活に近い環境でのコミュニケーションを重視した支援の重要性はとても重要と考えられます。

 

認知症を持つ人の徘徊の意味-パーソンセンタードケアに着目した観察と会話による調査から-

本研究は、認知症を持つ人のいわゆる徘徊に着目し、徘徊の生じるプロセスとその行動が持続するメカニズムを、生物、心理、社会の側面から分析します。対象は都内高齢者施設に入所する認知症の人2名です。対象者には研究への説明を充分に行い、同意がされた人にのみ調査を実施しました。本人の心情を把握するため、本人にとって大切なこととは何かを聞き取るとともに、日常生活の観察により、本人の好みや大事と思っていることを推察しました。その結果、徘徊は原発の症状ではなく、不安やとまどい、思い出を求めて動くなどの不安や混乱への対処として行動という側面がつよいことが示されました。すなわち徘徊は抑えつけるものではなく、その徘徊で対応しようとする心理を理解するための重要なサインであると認識したいと考えます。

 

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