国文学研究資料館と共同研究「短冊手鑑の内容と成立に関する研究」を実施中

人間文化学科の中村健太郎助教が、文学研究において重要な資料である短冊手鑑を、総合的に研究しています。

日本文学の基盤的総合研究機関である国文学研究資料館で、文学研究において重要な資料である短冊手鑑について、その内容と成立に関する研究を行っています。研究代表者として人間文化学科の中村健太郎助教が携わっており、研究期間は2014年〜2016年です。今後の短冊資料を用いた研究方法の具体例を提示することを目的としています。

国文学研究資料館とは?

「短冊手鑑『筆陳』(毛利家旧蔵)表紙」
「短冊手鑑『筆陳』(毛利家旧蔵)表紙」

国文学研究資料館は、国内各地の日本文学とその関連資料を大規模に集積し、日本文学をはじめとするさまざまな分野の研究者の利用に供するとともに、それらに基づく先進的な共同研究を推進する日本文学の基盤的な総合機関です。創設以来40年にわたって培ってきた日本の古典籍に関する資料研究の蓄積を生かし、国内外の研究機関・研究者と連携し、日本の古典籍を豊かな知的資源として活用する、分野を横断した研究の創出に取り組んでいます。

研究の目的

「短冊手鑑『筆陳』所収の和歌短冊資料(室町時代)」
「短冊手鑑『筆陳』所収の和歌短冊資料(室町時代)」

書誌的調査を行った個人蔵の短冊手鑑(上下2帖毛利家旧蔵)をもとに、所蔵短冊の内容と筆跡、製作年代などを総合的に研究します。対象とする短冊手鑑は、中世の書名入り短冊を多く含み、近代前期までの天皇、公卿、武家などを収めています。短冊は自詠自筆の資料が多く含まれていることから、文学研究において重要な資料であり、筆跡や料紙装飾などの観点から、美術史学や書道史学からも注目されています。しかし、伝存数がきわめて膨大で、短冊自体の分類や筆跡の真贋などの問題があり、現状では研究資料としてそのまま取り上げるには難しい状況にあります。そこで、この研究では短冊資料を活用した研究方法について、国文学や美術史学、歴史学、書誌学、書道史学などの各専門分野の視点から、短冊資料の問題点や研究方法を検討しています。そして短冊の形式と時代的変遷、筆者と内容、筆跡と料紙、手鑑の成立年代について明らかにし、今後の短冊資料を用いた研究方法の具体例を提示することを目的とします。

研究計画・方法(2014年度)

中村 健太郎助教(人間文化学科)
中村 健太郎助教(人間文化学科)

2014年度は、短冊手鑑所収の短冊資料全点の撮影を実施します。普段の個々の研究調査は各自画像データを利用して行います。国文学研究資料館を会場とした研究会を3カ月に一度実施し、現物資料の確認やメンバー間の情報交換、研究発表を行います。また研究会では本共同研究に関連する分野の研究者を招き、助言を受けます。短冊手鑑所収の短冊資料の翻刻は、点数が多いことから3年間の研究期間内で、個々のメンバーが分担し、随時作業を進めます。また、この共同研究に関連した他の短冊手鑑についても参考として地方調査を行います。関西方面の美術館や博物館などが所蔵する短冊手鑑の調査も実施します。

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