医学部薬理学講座の研究グループの論文が学術誌で紹介されました【医学部】

2018年04月03日

2018年2月4日(日)、帝京大学医学部薬理学講座助教(現本学医療技術学部臨床検査学科講師) 押鐘浩之、本学医療共通教育研究センター准教授 渡部正彦および本学同学部講座主任教授(現本学薬学部特任教授) 中木敏夫の研究グループによる、タンパク質の質量分析MALDI-TOF MSの改良法に関する論文がAnalytical  Biochemistry誌に掲載されました。さらにその成果が、3月20日(火)に科学技術のトレンドを紹介するオンライン雑誌Science Trendsで大きく紹介されました。

MALDI(マトリックス支援レーザー脱離イオン化)法と呼ばれるタンパク質の質量分析技術は、2002年にノーベル化学賞を受賞した田中耕一氏が基礎を築いて以来、今日の医学分野で日常的に使用されている必要不可欠な技術の1つです。また、最近では顕微鏡と質量分析とを一体化したイメージング質量分析機が開発されており、各種疾患で特異的に発現する生体物質であるバイオマーカーのさらなる探索が可能になり、疾患の早期診断が期待されます。

MALDIの原理によりイオン化して飛ばされた生体分子は、その質量が小さい程速く飛び、大きい程遅く飛びます。したがって、イオン化された生体分子が一定距離内をどれだけの時間をかけて飛んだのか、その時間を計測することができれば、目的の生体分子の質量を割り出すことができます。しかし、このように質量分析技術が飛躍的に発展してきた現在でも、全ての生体物質が検出可能というわけではありません。

今回、中木主任教授の研究グループは、通常のMALDI-TOF MS法では検出不可能であったタンパク質種に対して、検出を可能にする簡便かつ効果的な方法を発見しました。この質量分析の方法論は、日常的な医学研究における分析ツールのさらなる発展に寄与するものと期待されます。

 

原著論文

A simple and effective method for detecting precipitated proteins in MALDI−TOF MS

和訳:MALDI-TOF MSにおいて沈殿したタンパク質を検出する簡便かつ効果的な方法

Hiroyuki Oshikane, Masahiko Watabe, Toshio Nakaki

Analytical Biochemistry誌 546巻、2018年4月1日、1-4頁

 

関連リンク

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