帝京大学文化財研究所における研究・教育活動の紹介

さまざまな視点と専門性を駆使した研究を行っています

文化財の調査・研究とその保護を行うと同時に、専門性の高い人材の育成を行っています。また、本研究所は設立当初から今日に至るまで、積極的にシンポジウムやセミナー等を開催し、積極的に情報を発信しています。

シルクロードの調査研究と文化遺産の保護

シルクロード総合学術研究センターでは、シルクロードに関わる歴史や文化、遺跡、文化遺産について学際的に調査・研究を行っています。

 

■キルギス(中央アジア)

キルギス共和国の北部に位置するアク・ベシム遺跡はスイヤブと呼ばれた国際的な交易都市で、6世紀の初めには玄奘がこの地を訪れました。中国の唐代には、西域経営のもっとも西の拠点である砕葉鎮が置かれていました。私たちは、キルギス共和国科学アカデミーと一緒に、この地で育まれた文化や歴史の解明をめざしています。

 

■イラン(西アジア)

イランは歴史に残る大帝国が登場し、華麗なペルシア文化が花開いた場所です。この地に生まれた工芸品が、シルクロードを通じて遥か東の国である日本にもたらされました。私たちは、イラン文化遺産・工芸・観光庁およびイラン国立博物館と一緒に、このイランの素晴らしい文化遺産の調査・研究、そしてその保護に協力しています。

 

■ジョージア(コーカサス)

コーカサス地方の中ほどに位置するジョージアは、古くから独特な文化を生み出してきました。ワインの発祥の地とされているだけでなく、初めて青銅器を生み出した場所であるとも考えられています。私たちは、ジョージア国立博物館およびジョージア文化遺産保護庁と共同で金属の合金技術や青銅器の誕生の謎を探っています。

文化財の適正な保存を実現する科学研究

文化財科学研究センターでは、文化財の科学研究や保存修復の研究を大きな柱として、文化財を総合的に研究し、それを護る活動を行っています。

 

■文化財科学研究

各種の光学調査、X線透過撮影装置やデジタル顕微鏡を使用した観察、蛍光X線分析計、フーリエ変換赤外分光光度計や高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法を使用した材質分析、質量分析計を使用した鉛同位体比測定による産地推定まで幅広く行っています。文化財から科学的情報を引き出し、文化財の価値を多角的に検討しています。

 

■保存修復研究

文化財を後世に伝えるため、金属文化財や木質文化財などの保存修復を実践しています。近年増加している保存修復への要望に応え、社会的な貢献をめざしています。また、既存の方法で保存修復を行うだけでなく、より安全に資料を保存する方法の開発をめざしていきます。

歴史を理解し、現代社会の動静を考察する力を養う教育

考古学や日本史学などの文系分野と、文化財科学や物質科学などの理系分野の文理融合をはかり、教育と研究の学融合を強く意識した教育を実施しています。

 

■美術史・文化遺産実習

近年、顕著な普遍的価値をもつ世界文化遺産や自然遺産が世界の人々に注目されていますが、我々の身近にも多様な価値をもつ膨大な数の文化遺産が存在します。この実習では地域の文化遺産を実際に訪ねて、文献史料や石造物等の調査・資料化作業を体験し、史跡等の歴史や整備・活用法などを学びます。

 

■文化財科学実習

文化財を保存・活用し、歴史研究の資料とするためには、人文科学的観察とともに自然科学的分析が不可欠です。この実習では土器や石器を構成する造岩鉱物の観察や、金属製品のもととなった合金の特定など、機器分析の原理や手法を習得します。さらに、分析によって得られた情報をもとに、文化財の保存修復方法を検討します。

 

■考古学総合実習

考古学における遺跡の発掘調査には、観察・測量・分析といった技術力のほか、準備から調査終了までの手順や成果の公表、法的手続きといったマネジメント力が必要です。この実習では発掘調査から報告書作成までの過程を体系的に経験し、技術とマネジメント力を実践的に身につけます。

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